吉林省・黒龍江省の経済月報（２００６年２月）

１、全体動向　

（１）吉林省2005年国民経済と社会発展統計公報　吉林省

項目	金額	前年比
ＧＤＰ（億元）	３，６１５	１２．０％
固定資産投資（億元）	１，８０２	５３．８％
消費者物価指数（％）	−	１．５％
輸出入総額（億米ドル） 輸出 輸入 　　貿易収支	６５．３ ２４．７ ４０．６ △１５．９	△３．９％ ４３．９％ △２０．０％
直接外資投資額（億米ドル）	６．６	１５．８％
失業率（％）	４．２	（０．１ﾎﾟｲﾝﾄ低下）

（出典：国家統計局ＨＰに掲載の吉林省統計局データ）

（２）黒龍江省2005年国民経済と社会発展統計公報　黒龍江省

項目	金額	前年比
ＧＤＰ（億元）	５，５１０	１１．６％
固定資産投資（億元）	１，７９４	２５．４％
消費者物価指数（％）	−	１．２％
輸出入総額（億米ドル） 輸出 輸入 　　貿易収支	９５．７ ６０．７ ３５．０ ２５．７	４０．９％ ６４．９％ １２．６％ −
直接外資投資額（億米ドル）	１４．５	１７％
失業率（％）	４．４２	（０．２２ﾎﾟｲﾝﾄ上昇）

（出典：国家統計局ＨＰに掲載の黒龍江省統計局データ）

（３）吉林省第十一次五カ年計画要綱を報告　吉林省

８日、吉林省第十期人民代表大会四回会議が開幕し、王�a省長が「吉林省第十一次五カ年規画要綱」について報告した。王省長は５つの重点取り組みをアピールした。

１）優位性ある産業――３大支柱産業の確立。第一汽車を中心に、国際競争力ある自動車産業基地を建設し、全国を代表する石油化学基地や全国で最も競争力のある農産物加工基地をつくる。

２） 新農村――今後５年で、全省３分の１の行政村が新農村建設の標準レベルに達するよう取り組み、３０鎮、１００行政村を試行地点として、０７年には全省の農村小中学校で学費や雑費を免除し、教科書無料配布地域を徐々に広げていく。

３） 交通――鉄道網建設・改修計画を実施し、１，３００キロメートルを新設・改修する。省都・長春と各地を結び、出海口や通関地点、重点開発区を高速道路網で結ぶ。長白山観光空港の建設など民用航空の空港を整備する。

４） 民営経済――国有経済の布陣や構造調整を急ぎ、国有企業改革の任務を完了する。全省人民起業の精神を徹底し、非公有経済や中小企業を発展させる。

５） 調和のとれた吉林省――今後３年で１０万の公益性就業ポスト（交通整備など、政府が手配する仕事）を創設し、生活困窮者の雇用問題を重点的に解決する。体制改革した国有企業から雇用契約解除された労働者の再就職問題をうまく処理する。老朽化した危険住宅の立ち退きを３年で完了し、５年で９市の中心部に１，５００万平方メートルの新住宅を建てる。（２／９東亜経貿新聞）

２、対外経済　

（１）中国企業の羅津港経営を北朝鮮が正式認可　吉林省

吉林省琿春市交通局はこのほど、同市の中朝合弁企業「羅先国際物流合営会社」による北朝鮮・羅津港の合弁経営が、北朝鮮当局により正式認可されたことを明らかにした。琿春東林経貿有限公司、琿春辺境経済合作区保税有限公司、北朝鮮羅先市人民委員会経済協会会社の３社が出資し、董事長は中国側から派遣する。羅津港３号埠頭と建設予定の４号埠頭の５０年の経営権、琿春国境から同港までの公道の５０年間の使用権を持ち、さらに同港に隣接する５〜１０平方キロメートルの工業区と保税区も建設する。出海港を持たない吉林省にとって、羅津港への経営参画は日本海との出入り口を確保することになり、貿易・物流戦略で大きな意味を持つ。北朝鮮は同港の経営権と引き換えに、中国資本を活用して港湾施設や周辺インフラの開発を進める。（２／２４延辺日報）

（２）２００５年対露貿易は５６．８億米ドルを達成　黒龍江省

　黒龍江省商務庁によると、２００５年、黒龍江省の対露貿易は５６．８億米ドルを達成し、全国の対露貿易の１９．５％を占めたことが分かった。黒龍江省の通関ゲートを通過した貨物は対前年比１８．４％増の９６１．６万トン。出入境者数は同２０％増の３５９．７万人だった。（２／１４新華網黒龍江チャンネル）

（３）露企業のハルビン投資が活発　黒龍江省

　ハルビン市に進出している露系企業が、今年１月までに３３社になった。１９８０年代まではわずか１社だったが、１９９０年代に１３社、２０００年以降では１９社に増えた。同市と露との経済交流の増加を反映している。露系企業３３社の内訳は、独資１４社、合弁１６社、合作３社。登録資本金総額は２，８２７万米ドルで、１００万米ドル以上の企業は６社ある。（２／１６ハルビン日報）

（４）第１７回ハルビン国際経済貿易商談会を６月開催　黒龍江省

　第１７回ハルビン国際経済貿易商談会は今年６月１５〜１９日にかけて開催される。タイトルに「国際」がつくのは今年が初めてで、ステータスがワンランクあがる。また、２００６年はロシア年でもあり、昨年にも増してロシア色が濃い商談会になることが予想される。（２／２２黒竜江経済報）

３、産業　

・特になし

４、国有企業　

（１）国有企業改革で所期の成果　吉林省

吉林省党委、吉林省政府は０５年初に１年の時間をかけて８１６社の国有企業の体制改革を完了する目標をかかげたが、９９．６％にあたる８１３社で基本的体制改革が完了した。体制改革した国有企業では、８．８万人が退職手続きをとり、３９．３万人が労働契約関係を解消・変更し、１４万人が新たなポストについた。（２／１８吉林日報）

５、農業・農村・農民　

（１）省外への穀類販売が好調　黒龍江省

　０４年以後、黒龍江省から省外へ販売する穀類の量は２００億キログラム以上を記録してきたが、０５年は鉄道輸送分だけでも２０２．５億キログラムに達したことが分かった。食糧増産、農民収入増、国家の食糧安全にも寄与した。（２／２６黒龍江日報）

６、労働・社会保障　

・特になし

７、環境　

（１）ハルビン発電所設備集団、豪のクリーン石炭発電に参入　黒龍江省

発電設備最大手のハルビン発電所設備集団傘下のハルビン発電所工程が、クリーン石炭技術の開発を手がける豪HRLと事業提携することで合意した。両社はビクトリア州ロイヤン発電所近くに４０万キロワットの出力を誇る実演用クリーン石炭発電プラントを建設する計画。持分比率は各５０％。

褐炭を乾燥・ガス化する技術を利用して温室効果ガスを３割削減できることを実証し、商業稼動の可能性を見極めた上で、同州ドリフィールド褐炭田に近いラトロープ・バレー西部に出力８０万キロワットの発電プラントを建設したいとしている。中国企業が先進国にこれほどの規模のクリーン発電所を建設するのはこれが初めてという。（２／２３黒龍江日報）

８、その他　

（１）高速道路整備に今年５１億元を投資　吉林省

吉林省は今年、５１億５，０００万元を投じて高速道路網の整備を進める。長春〜松原、肇源〜松原、伊通〜遼源など５路線（６３２キロメートル）の整備を進める計画。このほか、一般公道も含めた今年の投資額は２６０億元に達する。（２／２３長春日報）

（２）第二回図們江輸送回廊・琿春会議を開催　吉林省

２１日、日本のNPO法人・北東アジア輸送回廊ネットワークと琿春市政府は「第二回図們江輸送回廊・琿春会議」を共催。中、日、露、韓、蒙５カ国の政府関係者や研究者、企業代表が琿春市に集い、図們江輸送回廊の役割や日本海航路開設に向けた意見交換を行った。会議に参加した５カ国の代表者が覚書に調印した。（２／２２図們江報）

以上