T.遼寧省の主な動向(2004年12月)
1.
遼寧省党委員会、遼寧省人民政府は「大連東北アジア国際海運センター建設を促進することに関する決定」(全文)を公表。(6日)
「中共中央遼寧省委員会 遼寧省人民政府 大連北東アジア国際海運センター建設を促進することに関する決定」(12月2日付)の全文を掲載(詳細はU.2「省政策の動き」参照)。
2.東北3省と独の経済協力座談会を8日長春で開催(8日)
東北3省と独の経済協力座談会を8日長春で開催。独のシュレーダー首相が独企業40社を率いて参
加し、東北3省長も出席した。遼寧省の張文岳省長が独と遼寧省の経済協力状況について以下のように紹介した。1996年以来、独の遼寧省に対する投資は4.6億元に達し、EU各国の対遼寧省投資の30%を占めている。遼寧と独の貿易額は累計67億元(EUの対遼寧投資額の33%)で、遼寧省にとっては第四位の貿易パートナー。現在、遼寧省へ投資中の独企業は200社あり、BMWなどがその代表格。
3.人事異動(13日)
遼寧省党委員会は全省指導者幹部会議を開催。「中共中央の遼寧省党委員会の主要な幹部の調整に関する決定」を伝達。決定によると聞世震は省党委員書記の職を離れ、後任に李克強が就任。
U.遼寧省日誌(政治・経済)
1.日本関連
8日 遼寧省紀律検査委員会と監察庁は7日、これまで発生した行政関係者の外資企業に対する権益侵害事件5件を公表し、各紀律関係部門に対して、事件の捜査及び改善を指示。公表された事件は、市幹部の合弁企業に対する経営干渉、市職員の職権乱用、詐欺事件など。うち1件は、本渓・満族自治区の炭鉱工事請負業者による日系企業相手の詐欺事件(本渓市中級人民法院で結審済み)。遼寧省では現在、東北振興政策を推進中であることから、遼寧省紀律検査委員会と観察庁は、行政部門のサービス意識の向上や外資企業の権益保護を求めている。
11日 当館は天皇誕生日レセプションを主催。李佳・副省長らが出席。
23日 遼寧中医学院と日本の富士計器株式会社は22日、瀋陽で中日中医薬科学技術協力プロジェクトに調印。中医薬の産業化や国際化を目指し、開発面で協力。
2.省政策の動き
6日 遼寧省党委員会、遼寧省人民政府は「大連東北アジア国際海運センター建設を促進することに関する決定」(全文)を公表。概要以下の通り。
一、大連国際海運センター建設促進の意義
大連の地理的利点を最大限利用して、大連を核心とした国際海運センターを建築し、大連の主体的な地位とリーダー的な作用を確立させる。
現在ある交通・物流体系、海港条件の優位性を十分に利用して大連を国際海運センターにし、地域の発展を図る。
二、大連国際海運センター建築の目標と理念
(1)2010年までに内陸型の国際運輸センター建築を重点的に行い、海港周辺の工業、商業、貿易、物流、金融、保険、及び情報サービスを主とした産業を支えるシステムを構築し、大型船専用の海港、航行路、物流分流センター及び中継の要となる海港を建設する。
(2)2020年までに国際物流の集散機能、中継港機能、都市総合サービス機能において国際海運センターの要求を満たし、東北アジアの国際コンテナの要となる港となり、内陸型・中継型が相互に連結して東北アジアの重要な国際海運センターの構築を行う。
三、主要な任務
@港のインフラ建設を促進、Aさらなる港の資源配置の合理化、B臨海工業の発展、C都市サービス機能の向上、D対外開放の領域を不断に拡大、E新しい体制及びメカニズムを打ち出す
四、政策環境
大連国際海運センター建築のための以下のような政策上のサポートを行う。これらの政策を通じて海運環境の合理化を進める。
五、指導者層の強化
10日 遼寧省政協は省市政協主席座談会を開催。郭廷標が講話。
14日 「遼寧省党委の人民政協業務のさらなる強化に関する意見」を発表。政協業務の改善を強化する一連の業務制度、政協の業務範囲、内容及び方法につき明確にし、民主的監督に重点を置くことを提示。
3.中央・地方との往来
6日 聞世震・省党委員書記はオーストリアEVC総裁一行と会見
4.対外関係
2日 許衛国・副省長はイギリス副首相一行と会見。
12日 聞世震・省党委員書記は米高盛グループ前総裁一行と会見。
5.省内各会議・イベント
1日 鞍山にて遼寧省冶金工業復興工作会議が開催。張文岳・省党委書記が主催。冶金業界の動向分析及び今後の取り組みについて確認し、遼寧省冶金工業振興計画要綱を採択。
2日 社会的弱者の生活支援会議が開催。05年の元旦、旧正月時の生活の問題につき議論。現在、遼寧省の農村部の貧困人口は150万人。うち、60.3万人(25万世帯)の収入は現地の最低生活水準を下回っている。
7日 遼寧省は指導者幹部会議を開催。中央の経済業務会議の考えを伝達。
8日 東北三省とドイツとの経済貿易協力についての座談会が長春にて開催。シュレーダー首相は40名以上のドイツの企業家による代表団は東北三省の指導者及び関係部門の責任者らと座談会。
8日 遼寧省第10期人代常務委員会は第32次主任会議を開催。
13日 李成玉・河南省長は遼寧省の企業視察を行った。
22日 民主協商会議を開催。省の各民主党派、工商連の代表者らが出席。開催予定の遼寧省党委員会第9期8次全体会議の議題につき意見を求めた。
23日 遼寧省人代常務委員会は市の各人代常務委員会常務副主任を集め座談会を行った。張錫林・常務副主任が会議を主催。
24日 遼寧省民営経済工作座談会が開催。張文岳省長は国有経済のコントロール強化と民営経済の活性化を絶えず行い、国有経済と民営経済双方の進歩、強化を実現すると強調。
27日 聞世震は第10期人代常務委員会第34次主任会議を開催。第10期人代常務委員会第16次会議の日程を通知。
30〜31日 遼寧省党委員第9期全体会議及び全省経済工作会議が開催。李克強・党委書記が業務報告を行い、張文岳省長は経済業務報告を行う。報告によると2004年のGDPは6830億元で前年比12%増。一人あたりのGDPは2000ドルに近づいてきている。
6.分野別報道
(1)対外経済
瀋陽市の今年の外資導入額(直接投資額)は昨年同期比57%増の22億ドルに達する見通し。輸出額も24億ドル(同20%増)にのぼると見られている。今年1〜11月の外資導入額は18億5,000万ドル(同60.8%増)で、年間目標の18億ドルを突破した。輸出額は20億5,000万ドル(同17.9%増)(12/26遼瀋晩報)
(2)産業
大連港集団のコンテナ取り次ぎ量が7日、200万個を突破した。今年に入って、輸送量は常に30%以上の伸び幅で増加。東北地区の対外向け輸送の94%を占め、輸送量の伸び幅は中国沿海の港では寧波に次ぐ第2位。(12/10遼寧日報)
11月、遼寧省85社の重点工業企業の工業付加価値額は387.4億元(昨年同期比31.4%)で、鞍鋼、本鋼、瀋飛、大連機床、瀋陽変圧器の単月の生産額の伸び幅は70%以上を記録した。今年1〜11月、重点85社が達成した工業付加価値額は3808.9億元(同30.8%増)だった。(12/18遼寧日報)
遼寧日報は21日付紙面で、「中共中央遼寧省委員会 遼寧省人民政府 冶金工業の迅速な発展に関する決定」の全文を掲載。冶金工業は遼寧省の重要な支柱産業であり、遼寧省を国際先端レベルの北方鋼材生産基地に生長させること、国有企業改革などについて基本的考え方をまとめている。(12/21遼寧日報)
(3)国有企業
今年1〜10月、鞍鋼の生産規模・販売額が大きく伸び、日本や欧米向け鋼材輸出は246万トン。うち鋼材輸出は142.69万トンの契約で、昨年の2.66培だった。輸出額は昨年同期比4.28倍の5.55億ドルと伸びた。10年前には設備の70%が国内の一般的レベルもしくは遅れた設備だったが、ここ数年の設備更新は目覚ましい。現在では80%が国際先端レベルの設備に更新され、国際競争力がアップした。(12/21遼寧日報)
(4)農業・農村・農民
遼寧省民政庁によると、今年11月末までに、遼寧省の特別困窮農民35万人を農村最低生活保障制度でカバーした。農村最低生活保障を受給していない困窮者に対し、民政部門が救済措置を施し、年間一人あたり270元の救済金を25.3万人に給付した。現在、農村最低生活保障制度を拡大中で、来年3月末までに全省60万人の特別困窮農民全てを最低生活保障でカバーする目標。(12/3遼寧日報)
遼寧省食糧流通体制改革会議が李佳副省長の主催により開催。全国食糧流通体制改革会議の考えを伝達、体制改革を進め、省全体の食糧総合生産能力を確保し、農民の農業への積極性を上げる。なお、遼寧省では2005年より、毎年食糧リスク基金のうち、農民への6.3億元の直接補助を行っている。(12/10遼寧日報)
(5)労働・社会保障
重工業基地・瀋陽を代表する鉄西区では、この2年間に9.6万人の再就職を実現した。レイオフ者・失業者は最大時には11.8万人にのぼったが、鉄西区の工場を郊外の技術開発区に移転する計画を実施してから、資金源(市内中心地の工場用地を売却し、価格の安い郊外の技術開発区へ移転することで、資金を得る)の問題や設備更新が一気に進み、労働者の社会保障にも必要な経費が回るようになった。(12/15遼寧日報)
(6)環境
かつて、汚染都市として世界ワーストテンに数えられた瀋陽市は、2001年より国家環境保護モデル都市を目指して取り組みを進めてきたが、3日、国家より正式に国家環境保護モデル都市として認証された。この3年間、汚染のひどい企業など600社を郊外に移転し、300社を合併・資本再編などの手法で整理。鉄鋼、有色金属精錬、コンクリート、製紙などの企業は市内中心部より移転させた。3年で250億元を都市整備や環境改善に投入したが、うち環境保護・建設に153億元余(1,000プロジェクト)をあてた。現在、瀋陽の汚水処理率は71.03%、都市の生活ゴミ処理率は100%に達した。また、この3年で3,000本の煙突、1,200カ所のボイラーを撤去し、全国で最も都市集中暖房率が高い都市になった。優良天気日数は2001年の162日から、昨年は298日に、今年は300日を超える見込だ。全市の緑化面積は100平方キロメートルを超え、2001年には一人あたり3.4平方メートルだった緑化率が今年は9.8平方メートルに増加した。(12/4遼寧日報)