
着任のご挨拶
このたび瀋陽に着任をいたしました総領事の石塚英樹でございます。
私にとりましては二十三年ぶりの中国勤務です。まだほんの入り口をみただけですが、瀋陽の大都会としての変容と、その一方で昔とかわらない人情を見るにつけても、まことに感慨深いものがあります。これから東北三省の各地を再訪し、この間の発展ぶりをこの目で確かめて行きたいと思います。
今回の赴任では、飛行機は東京から日本海を横断して、図們江、鴨緑江に沿って飛び、三時間余でここ瀋陽に到着しました。以前から日中関係についてよく聞く一衣帯水という中国の成語の意義をこれほど実感したことはありません。東北三省と日本の間で、多くの地方自治体が友好姉妹都市関係を締結し、相互交流が頻繁に行われているのも、こうした地の利が人の和を生じたものだと信じて已みません。
総領事館の使命は、まずは在留邦人の皆様のために的確な領事サービスを提供し、また中国の皆様への査証発給や当地でのさまざまな交流事業などを通じて国際親善の窓口になることだと私は考えます。特に、日中の経済交流の推進は、双方に大きく裨益するものだと考えます。2015年は政治、経済、文化等の各分野において日中間で相互交流が活発に行われ、双方の関係が更に深まりました。新しい年を迎え、私は、この勢いを、東北三省との協力・連携においても更に確実なものとすべく、様々な活動を行って参ります。折しも、今年2016年は、北海道−黒龍江省友好都市締結30周年を迎え、地方自治体間の交流の気運が今まで以上に高まることが期待されます。来年は日中国交正常化45周年、再来年は日中平和友好条約締結40周年と、記念すべき節目の年が続きます。このような時期に、在瀋陽日本国総領事を拝命したことは、誠に喜ばしく、着実に一歩一歩、使命を果たせるように、全力で取り組みたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
平成二十八年二月二十四日 在瀋陽日本国総領事 石塚英樹 |