吉林省・黒龍江省の経済月報（２００６年５月）

１、全体動向　

(１)長江デルタに「学習視察団」派遣　　吉林省・

１０日広州市で、吉林−広東経済社会発展状況座談会を開催。王雲坤・吉林省党委書記、王�a・吉林省長が率いる吉林省党政経貿代表団は「珠江デルタ」投資誘致活動を開始した。商談会では「珠江デルタ」のビジネス界と８５件、２１１億９，５００万元のプロジェクトに調印した。２６日には長春市で「珠江デルタ地区の経験を学び、吉林の対外開放を促進するための報告会」を開催した。（５／１２吉林日報など）

(２)チチハル第二製薬の偽造薬品事件、温家宝総理が指示 　黒龍江省

チチハル第二製薬有限公司が生産したアルミラリシンの偽造薬品による注射で複数の死者（中央テレビの２２日報道では９人）が出た事件に関し、温家宝総理が流入ルートの封鎖や関係部門を黒龍江省へ派遣して徹底調査を行うように指示を出した。（５／２０黒龍江日報＝新華社北京１９日電）

(３)賈慶林政協主席が吉林省を視察 　吉林省

　　賈 慶林中共中央政治局常務委員・全国政協主席は１９〜２３日にかけて、吉林省の延辺、四平、長春などを訪問。新農村建設や自主創新（イノベーション）能力問題などをテーマに視察を行った。（新華社長春５／２３日電）

（４）日中経済協力会議を長春で開催 　吉林省

２２日、２００６（長春）中日経済合作会議が長春市内で開催された。会議は東北３省政府、内蒙古政府、日中東北開発協会が共催。中国政府の旧工業基地振興戦略や UNDP の大図們江地区開発などのチャンスを利用して、日中経済協力、とりわけ中国東北・内蒙古地区と日本との協力や交流を強化することを趣旨として開催された。挨拶に立った吉林省の王�a省長によると、日本の吉林省に対する累計投資額は４億米ドル、吉林省内の日系企業は３００社を超えるという。会議には日中東北開発協会及び東北経済連合会の会長、在瀋陽日本国総領事、宮城県及び岩手県の知事などが列席した。（５／２３、２４吉林日報など）

２、対外経済　

（１）鴨緑江両岸に中朝合作で発電所建設計画　 　吉林省

中国と北朝鮮は、両国国境を流れる鴨緑江両岸に共同で新たに１カ所ずつ水力発電所を建設する。長春市で１４日、建設場所となる地方政府の代表者らが契約書に調印し、年内にも着工する見通しとなったという。中国側に建設するのは「望江楼発電所」で、吉林省南東部の集安市青石鎮望江村に位置し、１億５，４００万キロワット時、投資総額５億元を見込んでいる。北朝鮮側に建設するのは「文岳発電所」で、望江楼発電所よりやや下流に位置し、１億６，０００万キロワット時。（５／１５東亜経貿新聞）

（２）中米経済協力交流会を開催　 　黒龍江省

２８日、黒龍江省政府、米国商務部、米中国際協力促進会が共催する「２００６米中経済協力（ハルビン）交流会」がハルビンで開幕した。今回の商談会では、米国中小企業が木材加工や環境保護、発電所設備、自動車部品、印刷設備などの分野で中国側の経済協力パートナーを探す予定。中米経済協力交流会はこれまで、北京、上海、ニューヨークなどで８００案件、８億米ドルにのぼる商談を成立させているが、中国東北地方での開催は初めて。（５／２９黒龍江日報など）

３、産業　

（１）石油メジャー・シェル、吉林でオイルシェールの探査開始　 　吉林省

英蘭系石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルは１６日、吉林省中部でオイルシェール（油貢岩）の探査作業を開始した。第一号探鉱井は農安県柴崗鎮に開設される。シェルは今年３月、吉林光正鉱業開発有限公司と共同でオイルシェールの開発会社「吉林殻牌油貢岩開発有限公司」を設立している。（５／１７吉林日報）

４、国有企業　

・特になし

５、農業・農村・農民　

・特になし

６、労働・社会保障　

（１） 全省都市部社会保障システム改善試行に関する総括大会実施 　黒龍江省

２９日開催された「全省都市部社会保障システム改善試行業務に関する総括及び表彰大会」によると、０５年末までで、全省で個人口座資金３２億４，０００万元を蓄積した。０５年の新規雇用者数は前年同期比１１万６，０００人増の７５万８，０００人。再就職を実現したレイオフ・失業者は同７万９，６００人増の６８万６，０００人。０５年末失業率は４．４２％（目標値を０．５８ポイント下回った）。現在のところ、地方の経営難企業が抱えていたレイオフ者から社会が支える社会保障制度へ移行した人数は１６０万５，０００人で、このうち４３．９％にあたる７０万４，４００人が何らかの形（転職、起業、労働力輸出など）で就業しているという。（５／３０黒龍江日報）

７、環境　

（１）松花江流域水質汚染防止計画プロジェクトが間もなく始動　 　黒龍江省

　「松花江流域水質汚染防止計画」がまもなく国務院の審議を通過する見込み。第１１次五ヵ年計画期間中、国は松花江流域水質汚染防止重点プロジェクトに対して総投資額１３４億元を投資する予定で、ハルビン市関係のプロジェクトは２４件、総投資額２２億元になる見込み。（５／２８黒龍江日報）

（２）黒龍江・内蒙古森林火災で、胡総書記、温総理が重要指示　 　黒龍江省

春に入り、北方地域では乾燥が続き、森林火災が連続発生している。最近、黒龍江省の嫩江県、大興安嶺松嶺区、内蒙古の免渡河などで大型森林火災が発生しており、党中央や国務院はこれを重視し、２８日には胡錦涛総書記、温家宝総理をはじめとする指導者が消火作業に全力をあげるよう重要指示を出した。（新華社ハルビン５／２９電など）

８、その他　

（１）日本の援助で建設する発達小学校の定礎式を実施　 　黒龍江省

１６日、慶安県大羅鎮発達小学校の定礎式が開催された。同プロジェクトは「日本の草の根無償援助」計画が黒龍江省に供与する唯一のプロジェクト。発達小学校プロジェクトは、今年３月に契約し、日本から８万１６４ドルの資金援助を受けた。８月末には竣工予定で、学校の建築面積は１，０００平方メートル、５００名の学生を収容できる。（５／１９黒龍江日報）

（２）吉林省長、長春市長が東北経済連合会代表団と会見　 　吉林省

２１日、王�a省長が日中経済協力会議参加のため来訪した千速晃・日中東北開発協会会長、幕田圭一・東北経済連合会会長、岩手県知事、宮城県知事などと会見した。２２日には祝業精・長春市長が幕田圭一・東北経済連合会会長と会見した。（２２日付吉林日報、２３日付東亜経貿新聞）

（３）張左己省長、日本の東北経済連合会代表団と会見　　黒龍江省

黒龍江省の 張左己省長 は２３日、幕田圭一会長を団長とする日本の東北経済連合会代表団と会見した。張省長は先に長春で開催された２００６日中経済協力会議の成功について祝福するするとともに、一行の黒龍江省訪問を歓迎した。２００７年日中経済協力会議はハルビンで開催される予定として、準備作業に努力すると語った。（５／２４黒龍江日報）