吉林省経済月報(2003年11月)
1.概況
□吉林省、1-9月のGDPは1512.25億元(+9.5%)。(11/13吉林日報)
2.財政・金融
□吉林省、国税収入は同省財政収入のうちの地方可処分財力の約49%を占めるが、今年の国税収入は計画を9億元上回る180億元の見込。(11/26吉林日報)
3.対外経済
□吉林省、1-9月の輸出入総額は43.29億ドル(+64.1%)、うち輸入は28.72億ドル(+96.7%)、輸出は14.57億ドル(+14.2%)。(11/13吉林日報)
4.産業
□吉林省、2001年より製薬工業の生産額・工業付加価値額・利潤・納税額はいずれも全国トップ、漢方薬資源大省から漢方薬強省へと躍進。目下、製薬の利潤は同省医薬工業利潤の80%を占めるに至っている。近年来の医薬業は20%以上の伸び。今年1-9月の医薬工業の生産額は98億元、売上高は50億元、利潤は6.8億元。(11/3吉林日報)
□吉林省、医薬工業の5大難題は、@企業の規模。同省には328社の製薬企業があるが、大企業は10%足らず。2002年の製薬工業企業売上高上位50位のうち、同省企業は修正、東宝、敖東の3社のみで、それぞれ6位、25位、30位であった。修正薬業の売上高は15.6億元、トップの広東医薬集団の6分の1、2位の揚子江薬業の4分の1にすぎなかった。2002年医療機器工業企業の売上高上位50位の中に同省企業は1社も入っていなかった。A技術革新システムが未形成、大多数の企業には知的所有権を有する新製品がなく、重複生産の品種が約50%と問題が深刻。B医薬流通システムが未整備、劣悪偽造薬品が後を絶たない。C製品の品質が高くなく、安定性が低い。D対外貿易製品の構造が不合理。付加価値の低い、汚染が深刻な化学原料薬・手術器械・衛生材料・薬剤を輸出、高価格の製剤・大型高級医療設備を輸入。(11/16吉林日報)
5.国有企業
□吉林化繊、10月末時点で工業生産額は170643万元、売上高は171282万元、利潤は10645万元、通年計画を2ヶ月早く達成。(11/20吉林日報)
6.農業・農村・農民
□吉林省、北京で第1回中国国際農産品交易会「吉林経貿日」活動・吉林省農業投資環境説明会経済貿易協力調印式を挙行、15件(1.86億ドル)の成約。同省の今年の食糧商品率は70%、トウモロコシの輸出は全国の半分を占める見込。食糧生産は225億キロ、前年比5%以上の伸びとなる見込。(11/12吉林日報)
□吉林省、1-9月の農民一人当たり現金収入は1821.16元(+15.9%)。(11/13吉林日報)
□吉林省、農業の産業化により農民の一人当たり純収入は安定的な伸びを示しているが、2002年の農産物加工流通リーディング企業は725社で、山東省の3%、広東省の42%にすぎない。農業産業化リーディング企業の固定資産は161.4億元で、1社当たり2226万元であるが、山東省では資本が1億元以上の企業は約5000社もある。農業産業化リーディング企業の生産額は234億元で、農産物加工業グローバル500の最下位の10分の1に当たる。農業生産額に占める比重は33%であるが、先進国の加工業生産額は農業生産額の2-3倍。同省は、農業の産業化による農業・農村経済の発展、農産物加工業を自動車・化学工業に並ぶ同省3大支柱産業の1つへと育成することを掲げ、トウモロコシ・大豆・鶏・牛・漢方薬等14のリーディング企業グループの育成へ。(11/21吉林日報)
7.労働・社会保障
□吉林省、9月末時点でレイオフ労働者・失業者11.3万人の職業訓練(年間計画の93.2%)を終え、訓練後の再就職率は64.4%。(11/5吉林日報)
8.環境
□吉林省、企業の生産技術の立ち後れによる汚染対策への投入不足(主に製紙業)、汚染を黙認し経済発展を重視する一部の地方政府の存在により、汚染物排出基準を超過する例は後を絶たないが、亜泰コンクリート等の循環型経済のモデル企業もあり、持続可能な発展は夢ではない。(11/18吉林日報)
9.日本関連
□洪虎・吉林省長が伊藤源嗣・石川島播磨重工業且ミ長一行と会見。一汽グループ富奥自動車部品公司と石川島播磨梶A伊藤忠商事鰍フ日中合弁企業設立、自動車部品の共同生産の将来性は有望等と述べた。(11/20吉林日報)
10.その他
□1-9月の東北地方の電力消費量は平均で11.46%増、うち遼寧省は13.66%増、吉林省は11%増、黒龍江省は6.65%増。(11/3吉林日報)
□吉林省、目下の人材は136万人(中等専門学校以上の学歴または中級以上の職階)で、全国15位。うち機関・企業事業単位は85万人、中央所管単位は19万人、非国有企業は26万人、郷鎮企業は6万人。しかし、73.5%は国有・国有持株企業に集中、しかも多くの国有企業が生産停止・半停止で、レイオフ・待業中の人材も多い。また、人材の数は全国平均を上回るが、効率は全国平均を下回る。報酬・待遇が相対的に低いため、人材の流失も深刻。資質の高い人材は機関・事業単位に集中、専門技術者の74.31%が事業単位におり、企業にいるのは25.69%。工業強省および旧工業基地改造の必要に鑑みれば、2005年には156万人必要。うち企業は80万人必要で、技術者は20万人前後の不足となる見込。2010年には212万人必要で、企業は47万人不足、技術者は社会全体で55万人不足となる見込。とりわけ創造性に富む党政府指導者幹部、企業家、科学技術人員、国際市場に詳しい人材が必要。(11/9吉林日報)
□18日0時より、吉林省すべてのガソリンスタンドと車両(軍隊内部戦備用ガソリンを除く)は燃料用エタノールの使用を義務づけられる。(11/12吉林日報)