黒龍江省経済月報(2004年9月)
■は日本関連
1.概況
□省招商局によると、今年1〜7月、省外から対黒龍江省への投資プロジェクトは1,000を超え、うち外資投資プロジェクトは143(昨年同期比19.17%増)、内資投資プロジェクトは872項目、492.8億元(同54.5%)だった。(9/6黒龍江日報)
□東北旧工業基地調整・改造プロジェクト第二期分196項目(うち資本投入項目12、国債利息補助項目184)がこのほど決まり、ハルビン市は29項目、総投資額65億元が決まった。(9/8黒龍江日報)
□黒龍江省統計局によると、今年1〜8月全省都市部の固定資産投資は567.8億元で、昨年同期比23.6%の伸びとなり、2001年以来最高の伸びを記録した。(9/12黒龍江日報)
□東北3省の指導者は12日瀋陽で、旧工業基地振興に関して、3省の地域協力強化を目指すシステム作りが必要であるという認識で一致した。(9/14黒龍江日報)
□鉄道部、国務院東北振興弁公室、東北3省政府は16日北京で、「ハルビン−大連旅客専用線」及び「東北東部鉄道」建設の合意書に調印した。ハルビン−大連旅客専用線は投資の多様化や市場経済メカニズムの導入を目指した新管理方式をとる予定。鉄道部と東北3省が資本金の50%を支出し、残りの資金は広く国内外の投資者を誘致すし、「ハルビン−大連旅客専用線株式有限会社」を設立する計画。(9/18黒龍江日報)
□今年、黒龍江省の外資導入額は昨年の倍を超す600億元を突破した。世界各国からの視察団も殺到しており、米国の投資銀行、日本の三井物産、独シーメンス、仏カルフールなど30ヵ国の世界500強企業が同省を訪問している。(9/18黒龍江日報)
2.財政・金融
□国家財政部と国家税務総局はこのほど、東北旧工業基地振興を後押しする3種の新税収政策を下達した。東北3省で今年7月1日に遡り、増値税の仕入税額控除範囲を拡大する他、資源税税額を調整し、企業所得税優遇政策を実施する。(9/25黒龍江日報)
3.対外経済
□黒龍江省(韓国)経済貿易ウイークが1日、韓国・ソウルで開幕。王利民副省長が率いる黒龍江省代表団が投資説明会を開催した。今年7月までの黒龍江省への韓国企業の投資プロジェクトは1,165項目、契約外資額は7.5億ドル、実行ベースの外資導入額は6.3億ドル。(9/2黒龍江日報)
□2004年1〜8月、露国境の東寧通関ゲートでは露向け生花の輸出が好調。露一般大衆の生活レベル向上にともない、需要が伸びたと見られる。対露輸出生花は71回5,974件、総額15万ドル相当で、昨年同期比で輸出回数9倍、数量16倍、総額19倍で、いずれも過去最高。(9/7黒龍江日報)
□張左己省長は9日、広東原子力発電集団(1994年設立の大型モデル企業で登録資本金102億元。現在、大陸最大の商用原子力発電所「大亜湾原子力発電所・嶺澳原子力発電所」を有している)を訪問。黒龍江省企業は嶺澳原子力発電所第二期工事に参画している。(9/10黒龍江日報)
□黒龍江−福建食糧売買契約が13日結ばれ、福建省が吉林省の食糧15項目、56万トンを購入することが決まった。(9/14黒龍江日報)
□今年1〜8月、台湾企業の黒龍江省への投資が大きく伸び、直接投資プロジェクトは13項目、契約外資額は1,008万ドルにのぼった。(9/24黒龍江日報)
4.産業
□8月28日〜9月1日まで、第4回緑色食品(自然食品)博覧会及び鶴鑑賞祭をハルビン市で開催。国内外から6,000人が訪れ、総額272.76億元の契約が結ばれた。(9/2黒龍江日報)
□今年1〜8月、黒龍江省の一定規模以上の工業総生産額(付加価値ベース)は1,040億元(昨年同期比15.5%増)で1998年以来最高の伸びとなった。省経済委員会の分析では、今年8月までの工業経済の成長には5つの特徴があるという。(1)4大石炭生産地の伸び率が25%以上を記録。(2)国有企業の所有制改革が成功し、活力を取り戻した例が見られる。(3)6大基地建設が進捗し、装備製造業の生産増額は24%増、石油化学工業20.3%増、食品加工工業32.9%増、林木製品加工工業17.7%増となった。(4)工業生産への投資が伸び、金属切削工作機械、鋼材、ビール、米分野の伸び率は40%増。(5)ハイテク産業の総生産額は昨年同期比39.5%増の155.6億元。(9/10黒龍江日報)
5.国有企業
□「黒龍江省人民政府、中国石油天然ガス集団公司の社会機能切り離し合意書」が8月30日、北京で調印された。同社は中央管轄国有企業の社会昨日切り離しモデル企業3社の一つ。大慶市には4つの中国石油集団企業があり、小中学校125校、教育管理機構9つ、公安機構4つがあり、1万5,561人の職員を抱えており、同集団の社会機能の25%にあたる。切り離し後はこれらの機関は黒龍江省政府が管理することになる。(9/1黒龍江日報)
□ハルビン市はまもなく、市管轄国有企業の学校経営切り離し作業を本格化する。第一弾として、ハルビンベアリングなど国有企業が経営する学校19校を9月末までに切り離す。現在、ハルビン市管轄の大中型国有企業が経営する小中学校は45校あり、教職員数は1,823人、退職教員数は1,090人。2005年夏までに小中学校の切り離し作業を完了する目標。(9/4黒龍江日報)
□黒龍江省の国有企業改革は昨年来、省政府や企業の幹部約100人により組織された12の「促進グループ」を核にして取り組んでいる。昨年は大中型企業5社の所有制改革を完了し、今年は省管轄国有企業の改革を一層拡大している。(9/7黒龍江日報)
□国家税務総局計画統計司と中国税務雑誌社は12日、「2003年度中国納税トップ100」を発表。トップ100社の合計納税額は前年同期比30.47%増の2421.47億元で、黒龍江省の大慶油田有限公司のトップ100入りし、納税額は186.03億元だった。(9/13黒龍江日報)
□東北3省をまたぐ大型企業集団「東北特殊鋼集団有限公司」が23日、大連で正式発足した。同集団は遼寧特殊鋼集団(大連鋼鉄集団と撫順特鋼集団が資本再編)との資本再編により設立した大型国有企業集団で本部を大連に置く。(9/24黒龍江日報)
□宋法棠書記は28日、ハルビンビールを買収した米国AB(アンバイザーブッシュ)の総裁兼主席執行官一行と会見した。(9/29黒龍江日報)
6.農業・農村・農民
□農業税免税実施後、農村義務教育の主管は県政府に移行する。このため黒龍江省政府はこのほど、「農村義務教育管理体制の更なる改善に関する意見」を制定し、学費や教職員給与、学校運営など についての基本ルール徹底を指示した。(9/7黒龍江日報)
□黒龍江省と浙江省は9日、「両省の食糧と経済協の強化に関する合意書」に調印。31項目の協力プロジェクト(食糧生産基地項目、食糧購買項目など)に計9.39億元を投資する。(9/10黒龍江日報)
□農業税免税試行は、試行4地点(県)での先行取り組み(機構改革、郷村財政財務管理体制改革、農村義務教育管理体制改革など関連改革を実施)が8月末までにほぼ完了し、今後は省内全域での実施に移る。(9/11黒龍江日報)
□黒龍江省食糧部門によると、今年同省の水稲収穫量は昨年比24.6%増の105億キログラムに達する見込。今春の水稲作付面積は昨年比29.4%増の2513.2万ムーだった。(1ムーは666.7平方メートル)(9/30黒龍江日報)
7.労働・社会保障
□特になし
8.環境
□特になし
9.日本関連
■付暁光副省長は1日、種村芳正議長を団長とする新潟県議会代表団一行と会見した。(9/1黒龍江日報)
■付暁光副省長は2日、東海日中貿易センターの横井明会長を団長とする日本中部経済界代表団一行と会見した。(9/3黒龍江日報)
■付暁光副省長は2日、宮崎県黒龍江省友好交流協会会長、社会福祉法人慶明会の土屋利紀理事長一行と会見し、日中医療技術交流などについて懇談した。(9/3黒龍江日報)
■宋法棠書記は12日、渡里杉一郎会長を団長とする日中経済協会訪中団一行と会見した。(9/13黒龍江日報)
■張左己省長は21日、東北経済連合会の八島俊章会長を団長とする中国東北地区経済視察団一行と会見した。(9/22黒龍江日報)
■張左己省長は24日、日本財団の笹川陽平理事を代表とする書籍寄贈代表団と会見した。(9/25黒龍江日報)
■宋法棠書記と張左己省長は27日ハルビンで、在中国日本大使の阿南惟茂大使とそれぞれ会見した。(9/28黒龍江日報)
10.その他
□東方航空は6日、ハルビン発着、上海経由の欧州路(パリ、ロンドン、シドニー、メルボルン、バンクーバー)を開通した。(9/7黒龍江日報)
以上