黒龍江省経済月報(2004年10月)
■は日本関連
1.概況
□黒龍江省旧工業基地指導グループ事務室がこのほど発足した。同事務室は省発改委内に設置され、総合計画グループと政策体制グループの2つの組織から成る。主な職務は、(1)旧工業基地振興戦略の研究、総合計画、分野別計画、重大問題・重要政策・関係法規の起草、(2)省内各部門、各地の旧工業基地振興計画の指導や論証、(3)旧工業基地の優位性ある産業発展、資源枯渇都市の経済構造転換、重点プロジェクトの配置に関する助言や調整業務について研究、(4)旧工業基地の改革推進、対外開放度アップ、国内外からの資金・技術・人材誘致策について研究・助言、(5)重点インフラ建設・生態環境保護・建設の調整、経済・科学技術・社会工業の調和のとれた持続可能な発展の促進、(6)指導グループからの委託事項の遂行。(10/17黒龍江日報)
□今年1〜8月、外資の黒龍江省への投資は二桁伸びて、1,000項目の大台を突破した。外資投資額も急激に伸び、昨年同期比倍以上の600億元を突破。外資投資プロジェクトや実行ベースの外資投資額はいずれも20%以上の伸びとなり、全国平均を上回った。(10/23黒龍江日報)
2.財政・金融
□特になし
3.対外経済
□黒龍江省は12日香港で「2004黒龍江(香港)イベントウイーク」を11月9〜13日まで香港で開催すると発表した。(10/13黒龍江日報)
□ハルビン税関の統計によると、今年第3四半期までの黒龍江省の対露貿易額は過去最高の26.3億ドル(昨年同期比41.5%増)となり、中国全土の対露貿易輸出入額の17.4%を占めた。うち、同省の対露輸出額は14.2億ドル(同63.6%増)、輸入額は12.1億ドル(同22.2%増)。(10/21黒龍江日報)
□今年1〜9月、黒龍江省の輸出入額は48.13億ドル(昨年同期比36.75%増)で、うち輸出額は25.39億ドル(同50.71%増)、輸入額は22.74億ドル(同24.23%増)。黒龍江省は、今年初めの全省対外開放工作会議で、「対外開放度を上げ、迅速な経済発展を促進することに関する意見」を決定し、取り組みを進めてきた。今年から、省財政予算から毎年対外貿易発展資金3,000万元を拠出し、輸出基地建設補助、輸出企業の信用保険額補助、反ダンピング訴訟費用補助などにあててきた。国家も黒龍江省に対して機械・電気製品やハイテク製品の補助金を拠出しており、こうした政策支援が黒龍江省の対外貿易の伸びを後押しした。(10/23黒龍江日報)
4.産業
□今年上半期の黒龍江省民営経済の各種データは以下の通り。生産付加価値額は661.8億元で、全省経済成長に対する寄与度は3.7ポイント。民営企業数は250.3万社、従業員数604.4万人。民営経済の輸出入額は15.9億ドルで全省輸出入額の65%を占めた。うち輸出額は8.2億ドルで、全省輸出額の54.3%となり、国有企業を超えた。上半期、民営企業が32社の国有企業M&Aに参画し、9.8億元を投資し、2.3万人のレイオフ者の就業ポストを創設した。(10/17黒龍江日報)
□黒龍江省は10月1日より、在庫トウモロコシ34.5万トンを原料に生産したエチルアルコールを自動車用ガソリンに混ぜた新型ガソリンの使用を開始した。試行担当弁公室や専門家によると、在庫トウモロコシ3.3トンで1トンのエチルアルコールが生産でき、膨大な在庫トウモロコシの利用に道を開くものとなっている。(10/30黒龍江日報)
5.国有企業
□国務院国有資産監督管理委員会の李融栄主任が12〜15日、黒龍江省の中央管轄国有企業を視察した。滞在中、中央管轄大型国有企業が省経済の支柱となり、地方経済の発展に貢献するよう強調した。(10/15、16黒龍江日報)
■18日、ハルビン発電設備集団の創立53周年記念式典兼ハルビン動力設備株式有限公司の創立10周年記念式典を開催。黒龍江省指導者及び米国GE、日本の三菱重工、東芝の他、仏・韓・英の有名企業の代表が参列した。ハルビン発電施設集団の前身は、国家「第一次五カ年計画」で、ソ連の援助を受けて建設された156項目の国家重点建設プロジェクトのうち6項目。(10/19黒龍江日報)
□国有企業体制改革対象になっているハルビン市の重点国有企業150社のうち、現在までに17社が体制改革をほぼ完了、25社が実施中、63社が改革に着手したばかり、今後着手するのが45社であることが分かった。具体例では、ハルビンビールと秋林デパートが民間企業に買収され、全国有株を退出。ハルビン製薬、ハルビンコンクリートなどが合弁について商談中、リネン廠、計器・バイト廠など28社が学校や病院など社会機能部分の切り離し作業を完了、黒龍江紡績、ハルビン重型機械、圧延廠の4社が国家政策的破産計画に盛り込まれた。(10/23黒龍江日報)
□東北地区最大の石炭販売企業「黒龍江省同達石炭営業販売有限公司」が30日、正式発足した。同社会は省内4大炭鉱(鶏西鉱業集団、鶴崗鉱業集団、七台河鉱業精煤集団、双鴨山鉱業集団)を戦略的に資本再編した企業。(10/31黒龍江日報)
6.農業・農村・農民
□今年、黒龍江省の穀類総生産量は、昨年同期比62.5億キログラム増の313.5億キログラムとなり、過去最高だった1997年の310.45億キログラムを超す新記録をマークした。穀類別の生産量は、水稲112キログラム(昨年同期比32.9%増)、トウモロコシ105億キログラム(同1.1倍)、大豆67.5キログラム(26.4%増)でいずれも増産。全省農民1人あたり210元の増収につながり、省GDPを0.1ポイント引き上げた。(10/9、29黒龍江日報)
7.労働・社会保障
□今年7月末までで、全省で移転した農村労働力は304万人(昨年同期比51%増)で、年間目標の86.9%を達成し、労務収入は83億元(40.7%増)にのぼった。現在、黒龍江省の農村労働力は936万人で、うち余剰労働力は460万人おり、農村労働力の49%を占めている。今年上半期で、同省から72.8万人の農村余剰労働力が省外に輸出された(同41.5万人増、132.5%増)。また、7.2万人をロシア、日本、韓国など近隣国へ労働力移転した。(10/13黒龍江日報)
□「第2回中国国際農産品交易会・黒龍江−北京農村労務商談会兼緑色食品調印式」を14日、北京で開催。農業部の杜青林部長、北京市の牛有成副市長、張左己省長、労働社会保障部の張小建副部長、財政部の張佑才副部長などが出席した。(10/17黒龍江日報)
□「黒龍江−天津農村労務商談会」を16日天津で開催。張左己省長が黒龍江省の経済発展状況や穀類生産、農村余剰労働力の移転状況などについて説明し、天津企業がより多くの黒龍江省農民工を雇用してくれるようアピールした。(10/17黒龍江日報)
8.環境
□特になし
9.日本関連
■特になし
10.その他
□黒龍江省電力有限公司によると、今年1〜9月、黒龍江省から省外への輸出電力は13.7億キロワット時(昨年同期比12.6億キロワット時増)で、華東地区や華北地区の夏場の電力不足対策に貢献した。黒龍江省の発電設備容量は1143.5万キロワットで、年間発電量は500億キロワット時に達し、発電設備容量と電力供給力はいずれも全国トップクラス。(10/20黒龍江日報)
以上