黒龍江省経済月報(200412月)

■は日本関連

1.概況

□宋法棠・黒龍江省委員会書記が率いる黒龍江省学習視察団が6、7日の両日、上海市を視察した。6日は松江新城区(英国の設計会社が都市計画)、松江大学エリア(有名大学7校、学生4万人が居住)、朱家角(水郷のある古都で観光地)を訪問し、都市計画や経済発展状況を視察した。7日は上海リニア、上海GM、上海張江ハイテク開発区(IC、ソフトウエア、バイオ製薬で有名)を視察した。(12/7、8黒龍江日報)

 

     宋法棠・黒龍江省委員会書記が率いる黒龍江省学習視察団が8〜12日、山東省各地を視察した。宋法棠書記は8日、済南市で行った挨拶の中で、黒龍江省と山東省は特殊な縁があり、黒龍江省人口の3分の2以上の人の原籍が山東省であることを紹介。9日にはwei坊市などの経済技術開発区を視察。10日には煙台市の経済技術開発区(1985年設立。昨年の工業付加価値額300億元、世界35ヵ国の有名企業が26社入居)や張裕集団(ワイン製造で有名)などを訪問した。11日には青島市で海信集団(移動通信、ソフトウエア開発など)、海爾集団(中国家電トップメーカー)、青島市政府電子政務センターを見学した。(12/9〜13黒龍江日報)

 

□今年1〜11月、黒龍江省の一定規模以上企業(全ての国有企業と年間製品販売収入が500万元を超える非国有企業)の工業総生産額は1481.1億元(昨年同期比15.5%増)で、うち軽工業166.8億元(同17%増)、重工業1317.3億元(同15.4%増)だった▼国有・国有持株工業企業の工業総生産額は1294.9億元(同15.4%増)▼大慶以外の市の工業総生産額の伸び幅はいずれも10%以上を記録した。(12/19黒龍江日報)

 

2.財政・金融

□国家税務総局によると、今年10月末時点で、東北旧工業基地に対する優遇政策として実施された「増値税の生産型から消費型への転換政策」で恩恵を受けた東北地区の企業は4万508社あった。これらの企業が固定資産導入時に受けた税還付は2億8,406万元にのぼった。地方国税機関は年内にもう一度、税還付作業を実施する予定。(12/17黒龍江日報=新華社北京16日電)

 

□財政部の金人慶部長は21日、「財税制改革は経済体制改革の重要部分であり、来年は国有企業、国有資産管理体制、金融体制、投資体制などの改革に力を入れると同時に、財税改革を全面的に進展させる」と語った。具体的には、@輸出税還付制度改革の基盤を固める。A東北旧工業基地で今年先行実施した「増値税の消費型への転換」の成果を総括し、全国へ試行を拡大する。(12/22黒龍江日報=新華社北京21日電)

 

3.対外経済 

□鉄道部は22日、黒龍江省ロシア国境の陸上通関ゲート・綏芬河駅に3億2,000万元を投じ、綏芬河駅−グロデコボ間の列車発着数を増便(現在の10本から12本に)するとともに、年間輸送量を2008年には1,200万トンにひきあげる計画を明らかにした。中露貿易が急速に伸びており、4年前には203万六千トンだった貿易量が、昨年は576万トンに、今年はすでに700万トンを突破し、輸送需要に追いつかない状況という。綏芬河駅関係者によると、同駅は来年、露からの鉄道による原油輸入総量1,000万トンのうち5分の1にあたる200万トンを輸送する見込という。(12/17第一経済日報)

 

4.産業

□今年、黒龍江省石炭企業の経営状況は良好で、生産量・売上げ・輸送量・価格のいずれも1994年以来の最高レベルを記録し、国有重点炭鉱はほぼ経済困窮状態を脱した。今年1〜9月、全省石炭原石生産量は6,839万トン(昨年同期比19.2%増)▼石炭販売量は6,141万トン(同8.5%増)▼商品石炭の平均販売価格は高値を維持し、製品販売収入が大きく伸びた。今年1〜9月の国有重点炭鉱の商品石炭1トンあたりの平均販売価格は195.15元(同31%増)(12/20黒龍江日報)

 

5.国有企業

□黒龍江省国資委によると、東北振興政策始動1年目の今年、国有経済改革で顕著な成果があがった。黒龍江省地方工業は9年連続の赤字状態から脱却し、国有経済の比率が大きく下がった。2003年以前は、全省の一定規模以上の工業(全ての国有企業と年間製品販売収入が500万元を超える非国有企業)に占める割合が70.7%だったが、現在は64%に減少▼一定規模以上の地方国有工業企業数は1,184社から852社(29%減)に削減▼地方国有工業企業が全省の工業企業に占める割合は50.25%から34.85%に減少(15.4ポイント減)▼今年1〜10月、黒龍江省工業の累計総生産額は1,330億元(昨年同期比15.4%増)▼販売収入は2818.5億元(同21.4%増)▼納税額879億元(同155億元増、22%増)▼利潤総額604億元(同115億元増、24%増)▼昨年、大型企業再編した樺林タイヤ、北満特鋼、黒龍江石化、黒乳集団は、今年10月までの販売額、利潤ともに大きく伸びた。(12/12黒龍江日報=新華社ハルビン11日電)

 

     ハルビン市国資委関係者によると、今年年末までに、全市290社の国有企業が体制改革を終了する見込。うち今年体制改革に着手した150社のうち、63社が年内に改革を完了する見込という。重点企業が誘致した「戦略的投資」は20億元以上になり、国有資産譲渡による収益は12億元を超えた。(12/15黒龍江日報)

 

□ハルビン市国資委、哈薬集団(ハルビン製薬集団)と中信資本投資公司、米国華平投資集団、黒龍江辰能哈工大高科技風険投資有限公司の投資方3社は14日、哈薬集団に対する20.35億元の増資契約に調印した。増資後、哈薬集団の総資産は105億元になり、ハルビン市国資委が45%の株を所有。また、中信22.5%、華平22.5%、辰能10%の株式を所有する。哈薬集団はハルビンを代表する大型企業グループで、上場株式会社2社、全額出資の子会社24社を抱える。全国の化学工業医薬品業界139社を対象にした今年1〜9月のデータによると、販売収入で第2位、利潤で第3位を記録。同集団は近年、国内外市場の激烈な競争、同業界の資本再編の波、海外の医薬品産業の中国市場参入などに直面し、02年より増資を模索していた。(12/21黒龍江日報)

 

6.農業・農村・農民

□黒龍江省食糧局によると、今年1〜10月、黒龍江省から他省市への食糧販売量が180億キログラム近くに達したという。これは昨年同期比19億キログラム増で、しかも在庫食糧138億キログラムが含まれることから、省財政の負担軽減にも貢献した。(12/10黒龍江日報)

 

□黒龍江省労働・社会保障庁と関係機関は、農民工に対する未払い賃金の返還キャンペーンを展開。今年11月末までに農民工に返還された未払い賃金は9.6億元にのぼり、このうち建設業者による未払い分が6.3億元を占めた。同庁では256の検査グループ・1,096人を動員して1万1,344業者(うち建設業者2,059業者/関係する農民工38.6万人)を調査したところ、違法案件は2,984件にものぼった。農民工と労働契約を結んでいない業者も多く、農民工33.76万人との労働契約を改めて結ぶよう指導した。(12/26黒龍江日報=新華社ハルビン25日電)

 

7.労働・社会保障

□第17回黒龍江省政府常務会議は「黒龍江省都市部企業労働者基本養老保険に関する規定(修正案)」及び「黒龍江省都市部自営業労働者の基本養老保険に関する規定(修正案)」を可決した。同会議では、基本養老年金は社会保障制度の核であり、養老年金事業を強化して離退職者の基本生活を保障することが、社会の安定につながり、非常に大きな意義があることとの認識で一致した。(12/14黒龍江日報)

 

8.環境

□特になし

 

9.日本関連

     伊藤忠商事は中国の石炭資本大手「黒龍江省龍煤鉱業」に600万ドル(約6億3千万円)を投じて同社の株を取得し、日本での石炭販売や排出取引、炭鉱ガスの有効利用などの事業を共同展開する。日系企業が中国の石炭資源会社に出資するのは初めて。龍煤は黒龍江省の四大国有重点石炭資本会社(鶴崗、双鴨山、七台河、鶏西)が資本再編・統合されて発足した新会社。(12/14黒龍江日報、12/19日経新聞)

 

10.その他

□特になし

以上