黒龍江省経済月報(2003年7月)
1.概況
□黒龍江省党委員会全体会議で「黒龍江省全面建設小康社会綱要」を採択。いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する同省の目標は、@2010年GDP:8000億元(年平均成長率9.4%)。2008年GDP:2000年比倍増、一人当たりGDP:2440ドル。A2017年GDP:2000年比4倍、一人当たりGDP:4960ドル。2020年GDP:16470億元(10年間の年平均成長率7.5%)。(7/3黒龍江日報)
□ハルビン市、上半期のGDPは563.5億元(+14.1%)で、伸び率は前年と今年の通年目標(11.5%)をそれぞれ2.8ポイントと2.6ポイント上回り、1997年来の最高値。社会消費財小売総額は292.6億元(+11.3%)、SARSの影響で伸び率は前年同期を1.1ポイント下回った。固定資産投資は83.4億元(+28.5%)、伸び率は前年同期を18.3ポイント上回り、1997年来の最高値。都市家庭一人当たり可処分所得は3908.2元(+10.2%)、農村住民一人当たり現金収入は1494.6元(+5.3%)。(7/11黒龍江日報)
2.財政・金融
□ハルビン市、上半期の一般予算収入は62億元(+16.4%)。(7/11黒龍江日報)
3.対外経済
□ハルビン市、上半期の外資投資はビッグプロジェクトが比較的多いのが特徴。1社当たり投資額は395万ドル(+87.2%)、登録資本は270万ドル(+75.8%)、外資払込額は195万ドル(+48.9%)。例えば、独資の哈爾濱海晟農業科技有限公司の投資総額は2480万ドル、登録資本・外資払込額は1000万ドル。合作の哈爾濱富豪科環化工有限公司の投資総額は2980万ドル、登録資本・外資払込額は1192万ドル。目下、今年の新規登録外資企業は57社で、前年同期の106%。うち合弁21社、合作6社、独資30社。投資総額は2.26億ドル、登録資本は1.54億ドル、外資払込額は1.11億ドル。同市の外資企業は累計で933社、合弁・合作・独資はそれぞれ470社、78社、384社で、合弁株式制は1社。投資総額は39.57億ドル、登録資本は24.59億ドル、外資払込額は14.49億ドル。(7/4黒龍江経済報)
4.産業
□ハルビン市、上半期の工業生産は高い伸びを持続。工業付加価値額は197.6億元(+18%)、GDPに占める比重は35.1%で、前年同期を2.1ポイント上回る。(7/11黒龍江日報)
5.国有企業
□黒龍江省中小企業局によると、6月末時点で2866社の国有中小企業が所有権制度改革を終え、改革率は91.1%に達した。国有資本が完全に退出した企業は60%を占め、国有資本が資本総額に占める割合が50%足らずの企業は26.5%を占めた。牡丹江、大慶、鶴崗、綏化、七台河等の中小企業所有権制度改革率は98%以上で、国有資本は中小企業から退出、民有民営を実現。(7/9黒龍江日報)
□黒龍江省の大手タイヤ企業である樺林輪胎股?有限公司が国有法人株を競売に。シンガポール企業の佳通グループが落札。外資による国内上場企業の国有株取得としては初。(7/14黒龍江日報)
6.農業・農村・農民
□黒龍江省、今年の食糧流通体制改革の重点は受注買上・在庫販促・2万名のレイオフ労働者の配置換え等を含めた企業改革・支出削減赤字削減。(7/1黒龍江日報)
□黒龍江省、1-5月の食糧販売量・輸出量は前年同期比24.2億キロ増の50.6億キロ(+91.8%)。5月末時点で在庫量は同比7.7%減の416.2億キロ。食糧販売好転の要因は以下の4つ。@需給の変化でトウモロコシの販売が大幅増。1-5月の販売量は同比4.9倍増の21.4億キロ。A食糧輸出の増加。1-5月のトウモロコシ輸出は同比1.3倍増の7.4億キロ。Bコメの補助による販売加速。Cその他の政策性食糧販売の増加。(7/5黒龍江日報)
7.労働・社会保障
□黒龍江省、1-5月に19.89万の就業ポストを開拓、のべ19.03万名の失業者・レイオフ労働者が再就職。再就職者数も再就職率も前年を上回るが、5月末時点で国有企業レイオフ労働者は90.44万人、失業者は32.96万人と就業情勢は依然として楽観できない。(7/3黒龍江日報)
8.環境
□中国、日増しに深刻化する松花江の水質汚染対策に向こう15年で215億元を投じる計画。松花江は黒龍江省・吉林省を流れるが、黒龍江省流域についてはハルビン・チャムス・チチハル・大慶等15都市の汚水処理案件はすでに中国「十五」計画に組み入れられ、投資総額は48億元。(7/14黒龍江日報)
9.日本関連
□ハルビン−新潟線(月、水、金、日)は14日に運行再開へ。(7/9黒龍江日報)
□黒龍江省初の外国人ポストドクター(高橋幸彦氏)がハルビン工業大学へ。市政環境工程学院で2年間の研究に従事へ。(7/9黒龍江日報)
10.その他
□ハルビン商談会はSARSの関係で6月15日にネット上で開催、6月30日までに4226社が展示に参加、投資誘致案件は2325件、成約額は12433.5万ドル。(7/2黒龍江日報)
□黒龍江省企業調査隊の調査によると、同省のマクロ経済環境について「非常に満足」を感じている企業は10%、「比較的満足」と「基本的に満足」はそれぞれ37.2%と48.9%で、「満足していない」のはわずか3.9%。満足度が高かったのは市場化(93.3%)、関連産業の発展(93.3%)、労働力価格(93.3%)、社会経済信用度(90.6%)。不満度が高かったのは同業種競争公平性(21.7%)、同業種産業政策(16.1%)、融資環境(14.4%)。(7/7黒龍江日報)(了)