遼寧省経済月報(2004年7月)
■は日本関連
1.概況
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瀋陽市の1〜6月の域内総生産(GDP)は昨年同期比13.3%増の728億6,000万元。一定規模以上の工業生産は30.4%増の615億元で、固定資産投資は58%増の230億元。外資直接投資額も82%増の8億2,000万ドルと好調。(7/5東北新聞網)
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聞世震・省書記が瀋陽重型機械集団、金杯通用汽車、東軟医療ハイテク産業パーク等を視察し、瀋陽の設備製造業や自動車産業の発展が東北振興にとって重要な模範になるとアピールした。(7/8遼寧日報)
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大連市の1〜6月の域内総生産(GDP)は昨年同期比16.2%増の804億8,000万元。産業別では第一次産業47億1,000万元(同10.3%増)、第二次産業410億6,000万元(同19.7%増)、第三次産業347億1,000万元(同13.5%)。(7/14大連市統計局)
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遼寧省第14期四回全体会議は今年上半期の経済情勢を分析し、年初からの取り組みを総括し、今年後半の取り組みを確認した。(7/18遼寧日報)
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04年上半期、遼寧省の域内総生産(GDP)は前年同期比12.4%増の2,840億元。外資直接投資額は前年同期比78%増の22.4億ドルで、94年以来最高の伸びとなった。(7/19遼寧日報)
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世界最大の人事マネジメントコンサルタント会社・米マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングによると、「04年世界生計費調査結果」で、中国大陸で最も物価の高い都市上位5位は北京、深セン、広州、南京。東北振興の進む瀋陽も9位にランクインした。(7/23中国新聞社電)
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省委、省政府は23日、全省経済工作通達会議を開催。今年上半期の経済状況報告と下半期の経済取り組みの重点を確認。(7/24遼寧日報)
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中共遼寧省第九期委員会七回全体会議は、「社会主義市場経済体制改善の早急な取り組み 遼寧旧工業基地振興の全面推進」に関する聞世震省書記の報告並びに「中共遼寧省委『中共中央・社会主義市場経済体制の改善に関する若干の問題に関する決定』を徹底実施することに関する実施意見」を審議・可決した。(7/25遼寧日報)
□22日に開催された中共遼寧省第九回委員会七回全体会議で、聞世震書記が「社会主義市場経済体制の整備を加速し、遼寧旧工業基地の振興を全面的に推進せよ」との報告を行った。(7/31遼寧日報)
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遼寧省の1〜6月の社会消費品小売総額は前年同期比14.4%増の1,280億元で、全国平均を1.6ポイント上回り、全国第5位。(7/31遼寧日報)
2.財政・金融
□04年1〜6月、遼寧省の国税収入は昨年同期比11.9%増の265.44億元。(7/11遼寧日報)
□04年1〜6月、遼寧省の財政一般予算収入は昨年同期比21.2%増の245.3億元で、年度予算の52.3%を達成した。財政一般予算支出は昨年同期比14.7%増の324.5億元で、年度予算の43.4%を達成した。省財政は旧工業基地振興重点事業に対する予算配分に力点を置き、社会保障支出は昨年同期比27%増、農業分野の支出は同214.7%増、科学技術分野の支出は96.8%増、教育分野の支出は同33.1%増となっている。省財政はまた、企業技術改造利息補填資金3億元と中小企業担保資金1億元を予算措置している。(7/12遼寧日報)
□04年1〜6月、遼寧省の地方税収入は昨年同期比20.3%増の179.6億元(昨年より30.3億元の増収)で、うち所得税は11.2億元の増収となり、地方税収増収を7.5ポイント引き上げた。(7/14遼寧日報)
□瀋陽市で2行目となる外資系銀行「韓国中小企業銀行」が、中国銀行業監督管理委員会・遼寧監管局に設立申請した。同行は韓国の中小企業支援を目的とした政府系銀行。瀋陽市進出第一号の外資系銀行は5月に認可された韓国ハナ銀行。(7/29東北新聞網)
3.対外経済
□04年上半期、遼寧省の外資契約額は61.77%増の34.58億ドル(全国平均伸び率19.1%)、実行ベースの外資導入額は78.18%増の22.4億ドル(全国平均伸び率66.2%)で、いずれも十数年ぶりに全国平均を上回る伸び率。対外貿易の輸出入額は前年同期比23.9%増の145.54億ドルだった。(7/16遼寧日報)
□第二回華商企業科学技術創新合作交流会を18〜20日に開催。400名の華僑ビジネスマンが東北3省の534社の企業と商談を行い、366項目のプロジェクトで契約・意向書を締結。総投資額は32.41億ドルにのぼった。(7/19〜21遼寧日報など)
■遼寧省の今年1〜6月の貿易額は昨年同期比2.4%増の145億5,500万ドル。うち輸出は17.8%増の73億9,300万ドル 、輸入は31%増の71億6,200万ドル。相手国・地域別のトップは日本。対日貿易額は6.1%増の43億2,300万ドルで、うち輸出は2.1%増の23億1,100万ドル、輸入は11.1%増の20億1,200万ドルだった。2位は韓国で貿易額は21.6%増の17億6,700万ドル、3位は米国で貿易額は32.5%増の17億1,200万ドル。(7/23新華社)
4.産業
□今年1〜6月、遼寧省の一定規模以上の工業企業の付加価値額は21.7%増の1,010億元で、前年同期より4ポイント上昇し、全国平均を4ポイント上回った。広東、江蘇、浙江、上海などとの差も2ポイント差に縮まった(昨年は4ポイント差)。(7/18遼寧日報)
□04年1〜6月、遼寧省の民営経済の付加価値額は前年同期比22.5%増の1,568億元、従事員数は前年比20万人増の730万人になった。瀋陽、大連で民営経済は大きく伸びている。(7/19遼寧日報)
□省経委はこのほど、瀋陽机床、遼寧特鋼、鞍鋼など重点企業85社を決め、8項目の優遇政策を与える措置を打ち出した。85社は装備製造業と原材料業を主とする工業企業で、国有企業以外も含まれる。優遇措置は、企業改革の支持、本業と関連企業の切り離し・レイオフ者の再就職・資本再編に対する優遇政策、技術改造支持など。(7/22遼寧日報)
□第二回中国国際ソフトウエア交易会(国家級交易会)が大連で開幕。呉儀・副総理、薄熙来・商務部長、張文岳・遼寧省長などが開幕式に出席した。(7/29遼寧日報)
5.国有企業
□瀋陽市管轄の中小国有企業はこの3年で767社(84%)が所有制改革を達成。(7/3遼寧日報)
6.農業・農村・農民
□04年上半期、遼寧省の農・林・牧・漁業の総生産額(付加価値ベース)は26.5%増の454.4億元で、農村固定資産投資額は36.9%増の120億元、輸出額は6億ドル、外資誘致額は2億元となり、いずれも昨年より上昇。農民の平均収入は前年同期比16%増の1589.5元となった。(7/18遼寧日報)
7.労働・社会保障
□省労働・社会保障庁によると、98年から実施中の国有企業レイオフ者の基本生活保障制度は、2000年までに全省で51.8億元の基金が蓄積され、レイオフ者に対する生活保障に役だっている。01年から3年間実施した社会保障制度改革試行により、企業が負担していたレイオフ者の社会保障を失業保険制度に移行する作業を進め、175.5万人の国有企業レイオフ者と国有企業との労働関係を解消し、給付した失業保険金は42.1億元にのぼった。03年の就職・再就職者数は96.6万人で、うちレイオフ者の再就職者数は49.7万人。(7/15遼寧日報)
□04年1〜6月、遼寧省の海外への労働力移転は昨年同期比56%増の9.9万人に。(7/21遼寧日報)
8.環境
□省林業庁によると、04年上半期、都市・農村部で5.4億株を植林。これは年計画の77.1%にあたる。(7/8遼寧日報)
9.日本関連
■張文岳省長は14日、アルプス電気の片山政隆社長一行と会見。(7/15遼寧日報)
10.その他
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共青団中央、中国青年企業家協会、共青団省委、省経委が共催する「青年企業家東北行−遼寧経済貿易視察活動」が6日開幕。省外から200名以上の青年実業家が参加。(7/7遼寧日報)
□02年5月より改修工事が進められている瀋大高速道路(瀋陽〜大連、全長348キロ)は9月10日に開通する見通し。道路幅を26メートルから42メートルに、車線は4車線から8車線に増える。(7/12遼瀋晩報)
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「中華振興・海聯フォーラム」を12日大連市で開催。中央統一戦線の劉延東部長、国務院東北弁の張国宝主任、国務院発展研究中心の陳清泰副主任なども出席し、東北旧工業基地振興をメインテーマに、海外の多くの人々に東北振興を理解し、参画してもらうにはどうすべきか意見交換した。(7/13遼寧日報)
■北東アジアハイテク技術・産業博覧会(東博会)が15日開催。日本、韓国、ロシアの在瀋陽総領事が出席した。札幌市の小沢正明副市長も参加した。(7/16遼寧日報)
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東北3省企業と上海・江蘇・浙江・広東の民間資本提携会を16日開催。(7/17遼寧日報)