遼寧省経済月報(2004年9月)

■は日本関連

1.概況

■第3回中国国際装備製造業博覧会を1〜5日まで瀋陽市で開催。全人代常務委員会の顧秀蓮副委員長、国家発展改革委員会の張国宝・副主任(東北弁公室主任)などが開幕式に出席したほか、21ヵ国の駐中国大使館関係者も参加した。ブースを出した外国企業は263社(昨年209社)、契約額は44.6億ドルにのぼった。(9/1〜6遼寧日報など)

□中共中央政治局常務委員・全人代常務委員会委員長の呉邦国氏が8月28日〜9月1日まで遼寧省を視察した。遼寧省指導者の案内で大連、鞍山、遼陽、瀋陽市を訪問し、鞍鋼集団など大型企業15社を視察したほか、埠頭や市民の生活区であるコミュニティも訪問した。同氏は1994年以来8度遼寧省を視察しており、国有企業改革を指導してきた。(9/2遼寧日報)

     国家発展改革委員会がこのほど下達した「東北老工業基地改造第二期国債プロジェクト」のうち、大連市は27項目(中央管轄企業1、地方管轄企業26)、総投資額は57.97億元。(9/4遼寧日報)

     遼寧旧工業基地振興戦略シンポジウムを4日、瀋陽で開催。国務院研究室元主任で、中国政策科学研究会の袁木会長などが出席した。(9/5遼寧日報)

     「遼寧日報」は「中央政府が東北地区等旧工業基地振興戦略実施を宣言してから一周年に際して」と題した特集記事を掲載。(9/7、13遼寧日報)

     元中共中央政治局常務委員会委員の慰健行氏が6〜9日瀋陽市を25年ぶりに訪問し、国有企業や民営企業などを視察した。(9/12瀋陽日報)

□黒龍江省の栗戦書副書記率いる視察団が遼寧省を訪問し、東北旧工業基地振興について意見交換した。(9/13遼寧日報)

□今年1〜8月、大連市の固定資産投資は295億3,000万元で、昨年同期比36.7%増となった。うち、基本建設130億7,000万元(同50.8%増)、更新・改造43億2,000万元(同59.1%増)、不動産開発118億1,000万元(同21%増)。大連市の固定資産投資伸び率は過去数ヶ月拡大傾向にあり、4〜8月の各月伸び率は25.1%、31.1%、30.8%、34.2%、36.7%。(9/15大連市統計局)

□鉄道部と東北3省は16日北京で、ハルピン−大連旅客専用線(全長902キロを約3時間で走行予定)、東北東部鉄道(全長1389キロ、大連から牡丹江までの中朝国境地帯を走行)の建設合意書に調印した。(9/17遼寧日報)

□「東北老工業基地改造第二期国債プロジェクト」のうち、瀋陽市は18項目、総投資額74.5億元。総投資額37億元にのぼる瀋陽化工集団の項目、華晨金杯汽車のエンジン項目などがある。同市は現在、第三期国債プロジェクト32項目の申請作業を進めている。(9/17瀋陽日報)

■国家発展改革委員会、国務院東北振興弁公室、大連市人民政府の主催による「東北振興及び北東アジア協力国際シンポジウム」が25日、大連で開催された。今回のシンポは昨年10月、温家宝総理とASEAN、日本、韓国のトップ会談での合意にもとづき開催された。(9/26遼寧日報)

□大連を北東アジアを代表する国際海上輸送センターに改造する建設プロジェクトのうち、重要建設項目である「大連港30万トン級原油埠頭」と「30万トン級鉱石埠頭」が26日、正式に運営開始した。(9/27遼寧日報)

 

2.財政・金融

□特になし

 

3.対外経済

□瀋陽、長春、ハルビン、大連4市の発展改革委員会が共同主催する「東北投資ネット」が2日、瀋陽で正式開通した。投資項目データー、投資政策などをインターネットで閲覧できる。現在は中国語のみ。(9/3遼寧日報)

□第3回遼寧・台湾ウイークを鞍山市で開催。現在、遼寧省の台湾企業数は2756社。(9/25遼寧日報)

□遼寧省党政代表団は浙江省での3日間にわたる視察及び経済貿易交流活動を終了し、27日瀋陽に戻った。浙江省では娃哈哈集団などの企業を訪問した他、杭州・台州・温州3市の指導者と経済協力強化をテーマに懇談した。(9/27遼寧日報)

 

4.産業

□独BMWと華晨中国汽車の合弁会社「華晨宝馬汽車」は、同社生産のBMWの国産化率が40%に達していることを明らかにした。(9/4瀋陽晩報)

□今年1〜7月、大連の観光市場は空前の伸びとなった。海外からの観光客は延べ28.3万人で昨年同期比87.36%増。国内の観光客は延べ865万人(同58.7%増)、観光収入は88.4億元(同51.9%増)。マリンリゾートを売りにした観光宣伝が受け、国内や日本、韓国、ロシア、香港、台湾からの観光客が殺到した。(9/12遼寧日報)

 

5.国有企業

□遼寧特殊鋼集団(2003年遼寧省の大連鋼鉄と撫順特鋼が資本再編)と北満特殊鋼集団(黒龍江省、1957年設立)が資本再編して成立した東北特殊鋼集団が23日、大連で正式に設立宣言した。同集団は地域を超えて資本再編された中国最大の特殊鋼集団。(9/24遼寧日報)

 

6.農業・農村・農民

10日、全省農村税費改革の試行地域としての取り組みを徹底するためのテレビ電話会議開催。張文岳省長が全省で農業税3%減を徹底するよう指示した。(9/11遼寧日報)

17日に開催された遼寧省優良品質食糧プロジェクト座談会によると、今年の食糧総生産量は170億キログラムで、国家から指示された食糧生産目標を17億キログラム上回った。(9/18遼寧日報)

 

7.労働・社会保障

□東北旧工業基地婦女起業・再就職事業促進会を3日、阜新市で開催。全人代常務委員会の顧秀蓮委員長(全国婦女連主席)が出席し、重要講話を行った。(9/4遼寧日報)

□大連市の今年1〜8月の新規登録失業者数は12万8,108人に上り、登録失業率は4.4%だった。また1〜8月の都市部新規就業者数は12万1,752人だという。(9/6大連晩報)

□四川・東北3省労務協力会議を9日開催。28.6万人、42.58億元にのぼる労働契約が結ばれた。(9/10遼寧日報)

 

8.環境

■第3回中国国際装備製造業博覧会のイベントの一つである「中日環境設備・技術交流会」を瀋陽市で開催。日本機械輸出組合・アジア環境投資プロジェクト委員長、日立造船(株)環境鉄構事業本部総エンジニア、環境総合開発センター主任の掛田健二氏を団長とする「日本機械輸出組合環境保護機械代表団」一行が、遼寧省と環境保護分野に携わる関係機関や企業と商談した。代表団には日立造船、住友重工、石川島播磨、久保田、三菱重工など有名企業代表者が含まれた。(9/2遼寧日報)

■「第2回中国国際環境保護博覧会及び中国国際環境観測儀器展覧会」が2日、大連市で開幕。日、米、仏、独、韓の6ヵ国や中国国内企業200社余が参加した。(9/3遼寧日報など)

 

9.日本関連

■日本の無償資金協力9.68億円を得て建設する「日中友好大連人材育成センター」のE/N交換調印式が8月24日北京であった。大連市政府は9月1日、プロジェクト説明会を実施し、同センターは非営利の教育機関で、日本語能力、IT、高額、経営などの専門知識を持った人材を育成すると説明した。2006年の完成を目指す。(9/2遼寧日報など)

■東北振興と持続可能な発展戦略をテーマにした「東芝−瀋陽フォーラム」が2日、瀋陽市内で開催され、日中両国の行政官や企業家、研究者が出席した。陳政高瀋陽市長、小河内敏朗・瀋陽総領事館総領事、谷野作太郎・前駐中国日本大使がスピーチを行った。(9/3瀋陽日報)

     張文岳省長は7日、陳政高瀋陽市長は9日、三菱自動車株式会社の岡崎洋一郎会長一行と会見した。王万賓省委副書記は7日、吉田靖氏を団長とする日本青年指導者一行と会見した。(9/8遼寧日報、9/9瀋陽日報)

     国家旅遊局は9月15日より、遼寧、山東、天津など5省市の中国公民の日本への団体旅行を解禁する。瀋陽の旅行社を通じた最初のツアー客は23日に日本に到着する予定。(9/8瀋陽日報)

■瀋陽旅遊協会と札幌観光協会の友好協力関係5周年記念交流会を7日開催。札幌市の上田文雄市長を団長とする札幌市友好訪問団が瀋陽を訪問した。7日には瀋陽市の張行湘書記が一行と会見した。(9/10遼寧日報、8日瀋陽日報)

■張文岳省長は10日、渡里杉一郎会長を団長とする日中経済協会代表団に会見。日中経済協会の大型ミッションは大連、瀋陽、長春、ハルビン、北京を訪問。(9/11遼寧日報)

■瀋陽市の張行湘書記は13日、NPO法人「日中環境と健康学会」の宮沢正治代表及び日本赤十字社の原繁委員が率いる医学交流団と会見した。(9/14瀋陽日報)

■李桂副省長は23日、東北経済連合会の八島俊章会長を団長とする経済交流視察団一行と会見した。(9/24遼寧日報)

■滕衛平副省長は23日、日本財団の笹川陽平理事長を団長とする第2回日本贈書代表団一行と会見した。同じ財団はこれまで遼寧省に対し、奨学金提供や書籍贈呈を行っている。24日には、日本科学協会の中国医科大学に対する書籍贈呈式が開催され、日本財団の笹川陽平理事長は中国医科大学より名誉教授の称号を贈られた。(9/24、25遼寧日報)

■張文岳省長は24日大連で、経済産業省の坂本剛二副大臣と会見した。(9/25遼寧日報)

■滕衛平副省長は28日、富山テレビの上田宗彦社長を団長とする友好訪問団一行と会見した。(9/29遼寧日報)

 

10.その他

□遼寧日報報業集団は1日、「遼寧日報」創刊50周年の式典を開催した。中共中央政治局常務委員の李長春氏、中華全国新聞工作者協会の邵華澤・主席などが祝電を寄せた。(9/2遼寧日報など)

     2006年5月1〜10月31日(180日間)にかけて、国際園芸博覧会(花博)が瀋陽市で開催されることに決定。瀋陽植物園を中心とした5平方キロメートルが会場になる。友好都市の川崎市長、札幌市長が瀋陽の陳政高市長に祝電を打った。(9/3遼寧日報など)

     中国国際航空は8日、大連発の欧州路線・大連−ミュンヘン定期便を就航した。北京経由で週2便が運行する。(9/9NNA大連・東北版)

     2004年中国瀋陽国際農業博覧会を9〜11日開催。牛盾・農業部副部長が出席。(9/10遼寧日報)

     16回大連国際ファッション・フェスティバルを10〜19日まで開催。17ヵ国・地域から約350社が出展。9/11遼寧日報)

     大連市の王承敏・常務副市長はこのほど、瀋大高速道路(瀋陽−大連)と大荘高速道路(大連−荘河)を連結する建設計画を示した。(9/10大連晩報)

     瀋陽桃仙空港の今年1〜8月までの利用客数は延べ271.78万人(昨年同期比54.45%増)、貨物取扱量は6.9万トン(同28.38%増)で、いずれも過去最高を記録した。(9/13遼寧日報)

     遼寧社会科学院が主催する学術シンポジウム「北東アジア地域経済、社会協力と発展」(国際交流基金助成)が20日瀋陽市で開催され、中、日、韓、露、北朝鮮などの研究者90名が出席した。(9/21遼寧日報)

以上