T.遼寧省の主な動向(2005年5月)
1.2005年瀋陽韓国ウィークを開催
15日、2005年瀋陽韓国ウィーク開幕式が五里河体育場にて行われた。李克強・省党委書記が開幕を宣言。朴禧台・韓国国会副議長、張文岳・省長、張行湘・副書記、陳政高・瀋陽市長らが出席。
瀋陽韓国ウィークは今回で第4回。規模やその扱いが回を重ねるごとに大きくなってきている。
韓国側は在瀋陽韓国総領事館の他、韓国経済人連合会、韓国貿易協会、韓国中小企業協同組合中央会等の7つの国家旧の協会業界組織を含む26の都市代表団、1.5万人が経済貿易活動に参加し韓国経済貿易関係者の参加が最も多いものとなっている。
中国側は瀋陽、鞍山、撫順、本渓、営口、遼陽、鉄嶺の7つの都市が主体となりその他国内47の都市代表団が今回の韓国ウィークのため瀋陽入りした。
今回の韓国ウィークは57の大型の経済貿易活動及び12の文化娯楽活動が催されるほか東北振興を主題とした中韓100強企業CEOフォーラム、市長フォーラムなどが行われた。
2.2005年瀋陽日中経済協力会議を開催
25、26日の両日、日中東北開発協会、東北3省・内蒙古人民政府の主催により、「2005年日中経済協力会議−於瀋陽」が開催された。日本側からは宮城県及び岩手県知事、自治体や企業関係者など230人が出席し、中国側からは各省市の幹部、瀋陽市党委書記、瀋陽市長、地方政府や企業関係者240人が出席した。
会議では、日本と中国東北地方の経済交流促進をテーマに、日中双方の要人による基調報告、企業経営者側からの発言を中心としたエグゼクティブラウンドテーブル、テーマ別分科会(投資・貿易、IT、運輸・観光、地域協力、農業)などが開催された。
2000年よりスタートした同会議は今年5回目の開催。直前の日中関係悪化にともない、一時は開催が危ぶまれたが、瀋陽市政府及び日中東北開発協会を中心に努力を重ね、安全確保を最優先することで開催にこぎつけた。
U.遼寧省日誌(政治・経済)
1.日本関連
25〜27日 瀋陽日中経済協力会議が開催。中国側は張行湘・市党委書記、陳政高・瀋陽市長らが出席。
2.省政策の動き
11日 遼寧省国有企業改革指導者小グループが正式に成立。指導者小グループ長は張文岳・省長。
3.中央・地方との往来
26日 郭廷標・遼寧省政協主席はマカオ、ミンナン、台湾総商会視察団一行と会見。
4.対外関係
11日 李万才・副省長は比サミットグループ取締役一行らと会見。
11日 藤衛平・副省長は蘭福利衛生体育大臣と会見。
15日 李克強・省党委書記は朴禧台・韓国国会副議長ら要人と会見。
15日 張文岳・省長はベルギー国務秘書ら一行と会見。
16日 李万才・副省長はベルギー国務秘書ら一行と会見。本年末ベルギー首都ブラッセルにて共催する中国遼寧活動ウィークの枠組み協議に至った。
29日 魯マ・副省長は米美林グループ投資銀行委員会主任一行と会見。
5.省内各会議・イベント
9日 鉄道部及び遼寧省は鉄道建設の速度を上げ遼寧省の旧工業基地振興を支持する座談会及び協力協議を瀋陽にて開催。
10日 張文岳・省長は政府業務会議を主宰。農村の教育に関し検討・調整を行った。省長は農村部の教育の特殊な意義を十分に認識し、農村の教育事業の発展を早めるよう要求した。
11日 遼寧省党委員会は常務会議を開催。李克強・省党委書記が講話。「科学的執政・民主的執政を堅持し、省を治め政治を行う(治省理政)制度の制度化、規範化、プロセス化を建設する意見」につき議論し通過した。
12日 省党委は民主生活通報会及び全省県教育整改強化テレビ会議を開催。李克強・省党委書記が出席。
15日 全国人代執法検査グループを率い安全生産執法の検査を行うため遼寧を訪れた李鉄映・全国人代副委員長は、李克強・省党委書記の同伴の下、省人代常務委員会の機関を訪問、機関全体の幹部と面会した。
23日 第一回「振興杯」全国青年職業技術コンテストが開幕。李克強・省党委書記ら開幕式に出席。
25〜28日 遼寧省第10期人代常務委員会第19回会議が開催。
26日 遼寧省党委、省政府は全省企業改革深化工作会議を開催。会議では体制・メカニズム刷新が遼寧振興の鍵であり前提だとして、企業改革の促進により体制・メカニズム刷新の突破口とするよう強調した。李克強・省党委書記が講話。
27日 遼寧省党委第9期第9回全体会議が開催。李克強・省党委書記が講話。
6.分野別報道
(1)対外経済
1.瀋陽市経貿視察団は福建省で、遼寧中部都市経貿視察団は浙江省で投資誘致活動
陳政高・瀋陽市長を団長とする瀋陽市政府経済貿易視察団が9日、福建省漳州市で投資誘致活動を行い、56件・総額86億元の投資契約を結んだ。福建省での投資誘致活動は近年で5回目。瀋陽市には7万人の福建人がおり、ビジネスに従事したり、起業したりしている。また、今年2月には瀋陽市とアモイ市が友好都市関係を結んだ。
遼寧中部都市群(瀋陽経済区)5市経済貿易視察団は6〜11日にかけて、浙江省などで地場企業や台湾企業と商談会などを行った。5市合計228件、454.9億元の投資契約を結んだという。(5/8〜12瀋陽日報)
2.瀋陽市代表団がラテンアメリカ3カ国訪問
張湘行・瀋陽市書記を団長とする瀋陽市代表団が4月27〜5月7日にかけて、ブラジル、アルゼンチン、チリの南米3カ国を友好訪問。各国で経済貿易商談会や座談会を開催し、合計32件の合弁・経済協力プロジェクト実施の意向書に調印した。(5/11瀋陽日報)
3.日立電線と瀋陽北恒銅業が合弁契約締結
日立電線株式会社と瀋陽北恒銅業有限会社が13日、瀋陽で合弁契約を締結した。双方は2,980万米ドルを投資して、合弁会社を設立し、鉄道電気化や都市軌道交通システム建設に必要な電線を生産する予定。瀋陽北恒銅業は瀋陽市の優良民営企業で、鉄道部に鉄道用電線素材を供給している。(5/14瀋陽日報)
(2)産業
・特になし
(3)国有企業
1.遼寧省国有企業改革指導者小グループが発足
11日、遼寧省国有企業改革指導者小グループ(トップは張文岳省長)が発足し、張省長が国有企業改革及び混合所有制経済発展の促進に全力を尽くすよう念押しした。(5/12遼寧日報)
2.全省企業改革推進工作会議を開催
26日、全省企業改革推進工作会議を開催。16回党大会など中央政府の打ち出した方針に従い、遼寧旧工業基地の発展を促進するよう確認した。李克強・省党委書記は演説の中で、体制・メカニズム刷新が東北振興のカギであるとし、思想解放や観念転換、企業改革により振興に弾みをつけること、混合所有制経済や非公有制経済の発展が必要であるなどとアピールした。(5/27遼寧日報)
(4)農業・農村・農民
・特になし
(5)労働・社会保障
1.全省の社会保障カバー率が上昇
19日、全省社会保険加入拡大工作会議が開催され、05年の目標を確認した。@企業基本養老保険(年金)加入者750万人以上、加入義務のある民営企業の100%加入達成。A失業保険加入者数600万人以上、事業単位の100%加入達成。B養老、失業保険の費用徴収率90%以上。C医療保険加入者数820万人、中級省直属単位の加入率100%達成、生活困窮者もカバー。D工傷保険(労災)加入者480万人、炭鉱や建築業など危険度の高い企業の100%加入達成。(5/20遼寧日報)
2.第一回「振興杯」全国青年職業技術コンテストを開催
23日、初の全国青年職業技術コンテスト(国家一級大会)を瀋陽で開催。全国各地から32チーム、400名の出場者が集まった。電器溶接工、仕上げ工、修理工、NC(デジタル制御)の4部門で技術力を競った。このコンテストは、先に開かれた全国人材工作会議の方針を受けて開催されたもので、全国の青年工を育成し、中国の製造業発展に寄与することを目的にしている。(5/24遼寧日報)
(6)環境
・特になし
(7)その他
1.国務院東北地区等旧工業基地指導者小グループ、第二回会議開催
17日、国務院東北地区等旧工業基地指導者小グループの第二回会議が北京で開催された。温家宝総理が主催し、04年の取り組み報告及び05年の目標を確認した。05年目標は、@農業支援を強化し、都市と農村のバランスの取れた発展を促す、A産業構造調整を強化し、経済成長スタイルを転換する、B体制・メカニズムの刷新を促す、C対内、対外開放の拡大、D人と自然のバランスの取れた発展を実現、E科学技術や教育をテコにした国家発展戦略や人材発展戦略を推進、F大衆の直接利益にかかわる問題の解決を重視する。(5/20遼寧日報)
2.東北振興関連の税収優遇政策による還付税は約5億元(第一四半期)
遼寧省国税関係部門が今年第一四半期に還付した税金は5.78億元、未納税金の減額分は302万元。これは4月1日より、「財政部・国家税務総局2005年東北地区の増値税控除範囲拡大に関する問題についての通知」に基づいて、省各級国税部門が取り組みを進めているもの。(5/26遼寧日報)
以上