T.遼寧省の主な動向(20065月)

1.2006中国瀋陽世界園芸博覧会が盛大に開幕

 430日、2006中国瀋陽世界園芸博覧会が盛大に開幕した。全人代常委会副委員長や全国協政会議副主席をはじめとする中央政府指導者、遼寧省政府指導者、瀋陽軍区指導者などが開幕式に出席。国内外からの招待客や18カ国の在中国政府機関の代表、世界500強企業の代表、国内外のメディアなども列席した。(5/1遼寧日報)

 

2.瀋陽市党委書記、自民党武部幹事長一行と会見

1日、瀋陽市の陳政高党委書記は2006中国瀋陽世界園芸博覧会への出席のため訪瀋していた日本の武部勤・自民党幹事長一行と会見した。武部氏は「双方の友好関係促進に引き続き努力し、より多くの日本人が瀋陽を訪問するよう紹介したい」と語った。(5/2瀋陽日報)

 

3.遼寧省指導者、国務院東北弁主任と会見

30日、遼寧省の李克強党委書記、張文岳省長は遼寧友誼賓館で国務院東北振興弁公室の張国宝主任(国家発改委副主任)と会見した。会見の中で、第十一次五ヵ年計画期間中、同省は経済成長の速度や効率を東部地区の平均レベルに追いつくよう努力し、人民大衆の生活レベルを引き上げ、旧工業基地振興、社会主義新農村建設、調和のとれた遼寧建設を通じて、遼寧の全面振興や旧工業基地の復活を実現すると語った。また、「東北振興」と「沿海開放」というダブルチャンスをしっかり掴み、「五点一線」開発・開放に力点を置くことを表明した。(5/2遼寧日報)

 

4.2005年度納税額上位100社を発表 鞍鋼が1位 鉄鋼と石化が税収源

 遼寧省国家税務局と遼寧省地方税務局はこのほど、「2005年度全省納税上位100社」を発表した。第一位は鞍山鋼鉄集団公司の909,000万元で、2位以下を大きく引き離している。第23位は中国石油遼河油田分公司と本渓鋼鉄(集団)有限公司で、それぞれ429,000万元と273,000万元。2005年度全省納税上位100社による納税総額は4103,000万元で、これは同年税収の45.7%を占め、前年比で68億元増加しており、同省の税収を支えている。

分析によると、遼寧省の第二次産業の税収は年々下降しているものの、依然として税収を支えているのは、鉄鋼、石油化学などの重点産業である。今回の上位100社のうち第二次産業は75社、総額3708,000万元を納税しており、これは上位100社の納税総額の90%を占める。なかでも鉄鋼工業11社による納税総額は1377,000万元で、上位100社の3分の1を占める。石油や天然ガス関連企業15社による納税額は1242,000万元。鉄鋼と石油化学の2大業界による遼寧省税収に対する貢献度は30%近く、遼寧省にとって最大の税収源になっている。(5/7遼寧日報)

 

5.1四半期の全省銀行運営は平穏に推移

遼寧銀監局によると、今年3月末時点で、全省主要金融機関の資産総額は昨年同期比15.68%増の11,743300万元、負債総額は同15.14%増の11,7562,300万元で、資産規模は平穏に推移。また、今年に入って、全省銀行業の資産の質に改善がみられ、焦げ付き融資の残額、比率ともに減少した。3月末時点で、焦げ付き融資の残高は8601,100万元で、年初より9800万元減少。焦げ付き率は13.5%で、年初より0.93ポイント下降した。(5/13遼寧日報)

 

6.2006遼寧中部都市群(瀋陽経済区)七都市書記、市長会議を開催

 26日、「2006遼寧中部都市群(瀋陽経済区)七都市書記、市長会議」を鞍山市で開催した。昨年4月に7都市市長会議を開催し、「遼寧中部都市群協力合意書」を調印後、瀋陽経済区での交通運輸、商業貿易、情報産業、科学技術、観光、人材交流、雇用対策、環境保護など30以上の分野で協力合意に達している。(5/27遼寧日報)

 

 

U.遼寧省日誌(政治・経済)

1.日本関連

23日 李克強・省党委書記は増田寛也・岩手県知事一行と会見。

25日 張文岳・省長は幕田圭一を団長とする東北経済連合会代表団一行と会見。

 

2.省政策の動き

(特になし)

 

3.中央・地方との往来

13日 李克強・省党委書記は万宝瑞・全国人代農村委員会副主任一行と会見。

29日 李克強・省党委書記、張文岳・省長は馬馼・共産党中央紀律委員会副書記一行と会見。

 

4.要人、企業関係者等との会見

2日 郭廷標・省政協主席は遼寧省に観光に訪れている郁慕明・台湾新党主席夫妻と会見。

8日 李克強・省党委書記は李色澤・韓国浦項製鉄会長一行と会見。

10日 李克強・省党委書記は崔泰源・韓国SKグループ会長と会見。

13日 李克強・省党委書記はリー・クァンユー・シンガポール内閣顧問夫妻と会見。

14日 黄献・瀋陽軍区政委はファロン(Fallon)・米国太平洋軍司令官一行と会見。

15日 張文岳・省長は曹文錦・万邦グループ理事局主席一行と会見。

16日 李克強・省党委書記は崔志成・サムソン電子グループデジタルメディア社社長一行と会見。

17日 李克強・省党委書記は朴三求・韓国錦湖韓亜グループ会長、韓中友好協会会長と会見。

17日 李万才・副省長はマイアース・テンプルマン(Myers Templeman)・イギリス高級経理協会会長一行と会見。

21日 魯マ・副省長はジョン・ムーア(John Moore)・米カンザス州副知事一行と会見。

22日 李克強・省党委書記は姜成康・国家煙草専売総局局長一行と会見。

25日 閻豊・副省長はアモイ帰国華僑総会副会長を団長とする丘漢栄・アモイ工商会視察団一行と会見。

29日 李克強・省党委書記は宋林・香港華潤集団有限公司総経理一行と会見。

 

5.省内各会議・イベント、その他

16日 中国EU商務瀋陽分会がシェラトンホテル内に正式に成立。

19日 遼寧省政府及び中国電力設備投資集団公司は共同で遼寧省エネルギー交流プロジェクト枠組み協定締結式を瀋陽にてとりおこなった。式には李克強・省党委書記、張文岳・省長、王炳華・中国電力投資集団総経理らが出席。

 協定書によると、中国電力投資集団は遼寧省南部に重点をおいて大型原子力発電所及び大型火力発電のプロジェクトがあるとのこと。

22日 全省ゼロ就業家庭就業援助工作会議が開催。李克強・省党委書記、張文岳・省長が会議に出席し重要講話。

22日 張文岳省長は省長弁公会議を開催。人代教科文衛委員会の遼寧省職業教育に関する意見を聴取し、さらなる省教育改革・発展の各業務の割り振りを行った。

23日〜25日 露トムスク州代表団が遼寧省を有効訪問。24日には、中国遼寧省・露トムスク州交流協力プロジェクト商談会が行われ、張文岳・省長、ヴィクター・クリス(Viktor Kris)・州長がそれぞれ挨拶を行い、相互協力協定を締結した。

24日 共産党遼寧省第九期委員会第十二回全体会議が開催。省党委員、省党委員候補計64人が会議に出席。李克強・省党委書記が重要講話を行った。会議にて共産党遼寧省党委第十回代表会議を10月に開催することが決定された。

24日 省党委は常務会議を開催。全国社会治安総合治安業務会議の考え方を伝達し、遼寧省の安全建設の各項目推進のために全体的な業務割り振りを行った。李克強・省党委書記が重要講話。

26日 全省指定脱貧業務会議が開催。李克強・省党委書記、張文岳・省長が重要講話。

 

6.分野別報道

(1)対外経済 

・瀋陽、第1四半期の実行ベース外資導入が162.9%増と大きな伸び

瀋陽市政府によると、今年第1四半期、瀋陽市の外資導入額は昨年同期比162.9%増の47,200万米ドルで、実行ベースの外資導入額及びその伸び幅とも遼寧省でトップとなった。(5/10遼寧日報)

 

・大連開発区への14月の投資が好調

今年14月、大連開発区では1千万米ドル以上の大型外資プロジェクトが20件も操業開始した。世界500強企業は新たに5社増え、実行ベースの外資導入額は2億元に、開発区への固定資産投資は13億元を超え、昨年同期比で倍増の伸び率となった。(5/15遼寧日報)

 

・遼寧省とロシア・トムスク州経済貿易商談会を開催

 2325日、ロシア・トムスク州代表団が3日間にわたる遼寧省友好訪問及び瀋陽市での経済貿易商談会を行った。同州は西シベリア東南部に位置し、総面積31.59平方キロメートル、人口100万人余。石油、天然ガス、鉄鉱、木材などの自然資源が豊富な地域。(5/25遼寧日報)

 

・今年14月、遼寧省の対外貿易額は全国第9

瀋陽税関によると、遼寧省の今年14月の輸出入貿易総額は昨年同期比3.2%増の134億米ドルで、全国第9位であることが分かった。上位3位は広東、江蘇、上海。遼寧省の輸出入総額のうち、輸出総額は同6.1%増の76.7億米ドル、輸入総額は同0.5%減の57.3億米ドル。輸出額で最大なのは機械・電力設備の27.1億米ドル(11.5%増)で輸出総額全体の35.3%を占める。(5/26瀋陽日報)

 

・瀋陽市、14月の新規認可外資企業は221

瀋陽市政府関係部門によると、今年14月に新たに認可された外資系企業は221社、契約外資額は12億米ドル、実行ベースの外資利用額は昨年同期比167.4%増の5.76億米ドルになるという。うち、工業プロジェクトの実行ベースの外資が占める割合は全体の63.8%(3.68億米ドル)。(5/26瀋陽日報)

 

(2)産業

・特になし

 

(3)国有企業

・鞍鋼、初の独自知的財産権ある鉄鋼生産ラインを稼動

 17日、鞍山鋼鉄集団公司が自主開発・設計した「鞍鋼西部現代化板材精品基地改造プロジェクト」が正式稼動した。同プロジェクトはわが国初の完全知的所有権を有する近代的大規模鉄鋼生産ラインで、鞍鋼の製品構造のレベルアップだけでなく、中国の近代的大規模鉄鋼プロジェクトの技術・設備の進歩にもつながる。(5/17新華網瀋陽電)

 

(4)農業・農村・農民

・遼寧省、第1四半期の農民現金収入は18.4%増の1,575

 国家統計局遼寧調査本部の調査によると、第1四半期の遼寧省の農民の現金収入は平均1,575元で、昨年同期比18.4%増となり、物価上昇要素などを除くと、実質15.6%増になるという。全国平均を481元上回っている。(5/31振興東北網=遼寧省人民政府HP

 

(5)労働・社会保障

・遼寧省都市部労働者の平均賃金、昨年同期比18.5%増

 遼寧省統計局によると、同省都市部労働者の今年第1四半期の平均賃金は昨年同期比18.5%増の4,482元であるという。都市別で最も平均賃金が高かったのは大連の5,480元で、瀋陽5,265元、鞍山4,883元と続く。最下位は葫蘆島の3,136元で、大連より2,344元安い。また、遼寧省の都市部労働者数は、今年3月末時点で4887,000人、昨年末に比べて84,000人減少している。(5/13華商晨報)

 

・瀋陽市、再就職が厳しい高年齢者向けに新しい社会保険補填政策

 16日、瀋陽市労働・社会保障局は「4050人員」と呼ばれる再就職の難しい男性50歳以上、女性40歳以上の就業希望者に対する新しい社会保険補填政策「高年齢のフリーランス(アルバイト的就業ポストに従事する)人員に対する社会保険補填事業に関する通知」を公布した。この新政策によると、基本養老保険(年金)は、フリーランスの身分を保ったままで、市財政が実際に納入しなければならない費用の60%(基礎年金部分)を補填し、個人口座部分のみを本人が負担するというもの。(5/17瀋陽日報)

 

・全省零就業家庭就業援助工作会議を開催

 22日、「遼寧省零就業家庭就業援助工作会議」が瀋陽で開かれた。李克強・党委書記は講話の中で、家庭内に一人も被雇用者がいない状態の家庭(零就業家庭)が出現した場合、20日以内に最低一つは適当な就業ポストを斡旋し、困難な庶民生活の改善に努力するよう指示した。同省では、生活困窮層の生活条件改善のために、バラック移転・新住居建設と零就業家庭の就職支援を2つの柱として取り組んでいる。また、「遼寧省人民政府、零就業家庭就業援助のための長期的メカニズム確立に関する意見」(520日付)を公布した。(5/23遼寧日報)

 

(6)環境

・鞍山で「2006中国森林観光博覧会」開催

 26日、「2006中国森林観光博覧会及び第6回中国鞍山・千山国際観光祭」が開幕。ウルグアイ前総理、在瀋陽各国総領事館関係者なども開幕式に出席した。(5/27遼寧日報)

 

・遼寧省、今春季の人工造林面積は223.8万ムー

 遼寧省林業庁によると、今年520日までの遼寧省の春季人工造林面積は223.8万ムー(1ムーは15分の1ヘクタール)で、年間計画の74.6%を完了した。山地での育林は94.6万ムー(年間計画の31.5%)、全省民義務植樹は9188.6万株を達成した。(5/29遼寧日報)

 

(7)その他

・瀋陽「花博」、GWで176万人が来場

7日午後、瀋陽市政府新聞弁公室は「2006中国瀋陽世界園芸博覧会」の記者会見を開催し、717時現在までで同博覧会の来場者数が延べ176万人にのぼり、1日平均では251千人になったと発表した。開幕から1週間がちょうどゴールデンウイーク休暇にあたったこともあり出足は好調。2日には最高の延べ34万人が訪れたという。また、経営収入は4,300万元、チケット売り上げは1.1億元を突破しているという。(5/8瀋陽日報)

 

・中国EU商会瀋陽分会を設立

16日、中国EU商会瀋陽分会が瀋陽麗都シェラトンホテルで正式に設立した。中国EU商会は200010月に設立された、EU北京代表処の支持を受けた非営利の会員制組織。現在、同商会は大型多国籍企業から中小企業まで650社の会員を抱える。今回の瀋陽分会設立により、在瀋陽の欧州企業と地元政府との意思疎通ルートが確立されるうえ、瀋陽に投資する外資企業にとっても頼りになる。(5/17遼寧日報)

 

・瀋陽空港、14月の利用者数が52.9%増

瀋陽税関から18日得た情報によると、今年14月に瀋陽空港に離着陸した航空便は昨年同期比52.9%増の3,802便、出入境者数は同27.5%増の延べ25.3万人にのぼった。現在、瀋陽空港を離発着する国際線は27便(うち直行便15便、経由便12便)あり、アジア、欧州、北欧、大洋州など15カ国地域24都市に就航している。(5/19瀋陽日報)

 

・李克強書記が岩手県知事と会見

 23日、李克強・党委書記は岩手県の増田寛也知事を団長とする岩手県友好代表団と会見した。(5/24遼寧日報)

 

・張文岳省長が東北経済連合会会長と会見

 25日、張文岳省長は幕田圭一・東北経済連合会代表団一行と会見した。同代表団は経済貿易交流や協力を一層促進する目的で、30社ほどの企業代表団を組織して同省を視察する。(5/26遼寧日報)

 

・大連でアカシア祭開幕

 25日、大連で第十七回アカシア祭り(賞槐会)が開幕した。1週間の会期中、日中旅行交流ウイークなど多くのイベントが開催される。日本からは岩手、青森、栃木の県知事などが出席した。(5/28遼寧日報)