※新聞報道(遼寧日報、瀋陽日報、遼瀋晩報)を参考に当館で作成。

 

T.遼寧省の主な動向(2003年5月)

1.李長春・政治局常務委員が大連を視察

 2日〜5日、李長春・政治局常委が大連を視察。中国華電子信息有限公司、大連ソフトパーク、大連新船重工、大連西太平洋石油化工有限公司、大連造船重工、大連港大湾港区、保税区ハイアール工業パーク、大連北良港、旅順双島港工業パーク、旅順博物館、NEUソフト情報技術学院、金石灘国家観光リゾート区を訪問。装備設備製造業を重点として老工業基地の振興を加速し、ITによる伝統産業の改造を堅持、宣伝思想工作を進め、文化事業は公益面と事業面の両面の発展を強化すべき旨講話。聞世震省書記、薄煕来省長、張文岳省政協主席、孫春蘭・大連市書記、夏徳仁・大連市長等が同行。

 

2.周永康・政治局委員、書記処書記が遼寧省各地を視察

 2日〜5日、周永康・政治局委員、書記処書記が社会安定、治安等につき省各地を視察。瀋陽市、盤錦市、営口市、錦州市の工場、港、採油場、科学技術研究所、派出所、消防署等を訪問。

 

3.反腐敗活動の強化

 22日、遼寧省委は王唯衆・省紀委書記をヘッドとする“遼寧省職務犯罪予防工作領導小グループ”を設立。省幹部が同グループに対し、定期的に幹部の汚職等に関する情報提供を求める等、反腐敗活動を制度化。

また、省紀律委員会、省監察長、省婦人連合は、党員幹部家庭での反腐敗教育活動を指示する通知を発出。活動内容として、@各幹部家庭に反腐敗教育教材を送付、A正反両面の典型例から教訓を学ぶよう、郑培民等の先進的な清廉政治の事跡を学び、01年の瀋陽市長、副市長汚職事件(「・馬事件」)の教育フィルム等を利用し警示とするよう奨励し、B清廉な内助の功を示した模範家族を選抜、表彰する旨規定。

 

U.遼寧省日誌

1.日本関連

(1)日系企業

 9日 陳政高・瀋陽市長と日本宮本組株式会社社長一行が会見。ブルーベリー栽培基地建設につき懇談。

(2)政府機関

22日 陳政高・瀋陽市長は小河内日本駐瀋陽総領事と会見。SARS対策、日本との経済交流等につき意見交換。

(3)歴史問題

28日 遼瀋晩報は、東北強制労働生存者証拠保全シリーズ第5弾として、86歳の元労働者の証言を報道。

2.省内政治動向

15日 丹東市中級人民法院は田鳳岐・元遼寧省高級人民法院院長に対して、収賄罪で無期懲役、政治的権利の終身剥奪、全財産没収の判決を下した。判決は同元院長が97年〜98年の瀋陽市書記時代に254万元余り、99年〜01年までの法院院長時代に76万元余りの収賄を受けたとした。

22日 王唯衆・省紀委書記をヘッドとする“遼寧省職務犯罪予防工作領導小グループ”が成立。反腐敗工作を制度化。

28日 遼寧日報は、省紀委、省監察庁、省婦人連合が党員幹部家庭での反腐敗教育活動を指示する通知を発出。

 

3.省幹部の省内視察

(1)聞世震省書記

 6日 丹東市を訪問、SARS対策と経済建設につき視察。

12日 鉄市を訪問、農村SARS防止工作につき視察。

19日〜20日 阜新市を訪問、経済モデル転換テスト地、経済構造調整、SARS対策につき視察。牧畜業を農村経済の牽引役とすべき等講話。

(2)薄煕来省長

 8日〜9日 盖州市、大石橋市(共に営口市)を訪問、県市区経済発展状況を視察。

 9日 鞍山市を訪問、鞍山鉄鋼等を視察、経済建設、SARS対策、海城市小学校集団食中毒事件での対応につき指摘。

(3)その他

20日 張文岳省政協主席は遼陽市を訪問、19日同市の6学校27人の生徒が発熱した問題につき視察。教育部門のSARS対策体制整備を各学校に要求。鲁マ副省長が同行。

25日〜27日 張文岳は大連市を視察。SARSに打ち勝ち経済改革発展の全面勝利を勝ち取る旨講話。

 

4.中央・地方との往来

(1)聞世震省書記

20日 葉如堂・全人代常委委員、全人代環境と資源委員会副主任と会見。同副主任は<固体廃棄物環境汚染防治法>の施行検査のため、瀋陽市、鞍山市、大連市等を視察。

27日 李長江・国家質検総局局長、全国SARS対策指揮部衛生検疫組組長と会見。

)中央幹部視察

 2日〜5日 李長春・政治局常委が大連を視察。中国華電子信息有限公司、大連ソフトパーク、大連新船重工、大連西太平洋石油化工有限公司、大連造船重工、大連港大湾港区、保税区ハイアール工業パーク、大連北良港、旅順双島港工業パーク、旅順博物館、NEUソフト情報技術学院、金石灘国家観光リゾート区を訪問。

 2日〜5日 周永康・政治局委員、書記処書記が社会安定、治安等につき省各地を視察。瀋陽市、盤錦市、営口市、錦州市の工場、港、採油場、科学技術研究所、派出所、消防署等を訪問。

 

5.対外関係

 9日 陳政高・瀋陽市長が米国駐瀋陽総領事と会見。

 9日 陳政高・瀋陽市長が韓国公州市議長一行と会見。娯楽施設建設への投資につき懇談。

26日 劉克田副省長がカナダ・中国貿易理事会総経理と会見。

27日 薄煕来省長が韓国佑林貿易会長率いる韓国仁川製鉄プロジェクト視察団と会見。

 

6.省内各会議・イベント

 4日 省委、省政府は361潜水艦事故の罹災者及び親族の補償工作会議を大連で開催。聞世震が主催、薄煕来、孫春蘭、徐徳、夏徳仁、駐軍部隊首長が参加。

 6日 全省SARS農村対策工作テレビ電話会議が開催。許衛国、胡晓华藤卫平が出席。

 7日 省人代常委会が主任拡大会議を開催。SARS対策工作状況につき報告。

12日 省政府は第8次常務会議を開催。現在の経済発展状況とSARSの経済的影響につき分析。薄煕来が観光、航空、商業、文化娯楽、対外貿易、就業、税収、財政部門への影響を特に重視する旨講話。

12日 瀋陽市政府は外資利用工作会議を開催。4月までの外資利用額は17千万ドル余り。本年目標額は20億ドル。

15日 省委は常務委会議を開催。全力でSARSに対抗し、経済発展の速度を確保する対策を研究。聞世震が講話。

15日 省政府は全省テレビ電話会議を開催。薄煕来はSARSの予防・抑制につき各部門に指示。許衛国副省長が司会。闫丰胡晓华鲁マがそれぞれ社区、農村、教育方面でのSARS対策につき提議。

22日 省人代が「SARS防止と経済発展の2つの勝利を勝ち取る」座談会を開催。

22日 省政府が常務会議を開催。石炭採掘による地盤沈下地区の総合的整備につき研究。薄煕来は、あらゆる方法で資金を調達し、年内に着工、2,3年内の完成させる旨講話。所期予想では対象は阜新、本渓、撫順、北票、南票等7地域335.8平方km、住民数10.9万戸、32.8万人に及ぶ予定。

23日 遼寧省中部6都市書記座談会が開催。聞世震が出席。

23日 省政府常務会議で省北西部の発展工作につき研究。省北西部(錦州、阜新、鉄嶺、朝陽、葫芦島の5市及び瀋陽市の康平、法庫の両県)は全省人口の35.8%、省GDPの15.1%、一人当たりGDPは全省平均の42.9%、経済レベルは中国西部地区に相当。

24日 省政府第11回常務会議は全省農村税費改革方案として、@5年以内に村級不良債務を解決、A中小学校の人員削減と質向上、B郷鎮事業単位の機構改革による農民負担軽減等を決定。薄煕来が出席。

26日 省政府第12回常務会議はSARS対策とともに各経済工作を開始する旨決定。当面の目標として@正常な経済文化活動を回復し、A外部の投資誘致に力を入れる。

26日 省政府常務会議は金融運行状況につき研究。引き続き不良債権を圧縮し、省金融の質向上を指示。

27日 省政府常務会議は市場経済秩序の整頓と規範化をテーマに会議。薄煕来は@主要幹部が第一線に出ること、A重大な経済犯罪を厳罰に処すること、B組織全体の協力体制を整えること等を指示。

 

7.SARS関連

 4日 鉄嶺市でSARS疑い患者1名が発見。

10日 SARS疑い患者3名(瀋陽市1名、大連市2名)が発見。大連市では初。

12日 大連市政府はSARSの影響の大きい外食、ホテル、観光、展覧会、レジャー、航空、バス、水運、タクシー等の各業界に対し、雇用人員の維持を条件に免税、補助対策を実施と発表。

22日 大連市のSARS疑い患者2名をSARSと診断。医療従事者1名を新たにSARS感染疑い例と診断。

22日 瀋陽市委、政府は長春市に180万元相当のSARS対策物資(レントゲン5台、使い捨て防護服2400着、専用防護服4120着、マスク15000枚、ゴーグル1200個)を寄贈。

23日 薄煕来が大連のSARSに感染した看護婦3名の治療のため、北京、広州から専門家を招聘するよう指示。同日夜、4名の専門家が大連到着。

29日 省政府は51日〜930日の期間SARSの影響の大きい航空、旅行、食品、交通運輸等の産業に対して減税措置を採る旨通知。

 

8.その他

 3日 撫順市老虎台炭鉱で地崩れ事故が発生。3名が死亡、6名が怪我。

14日 連続5年目の干ばつを迎える省北西部農村地域は春期耕作強化策を実施。

19日 遼寧日報は、本年から大連港は30万トン級石油タンカー、25万トン級石炭輸送船が入港可能な港の建設、300万立方米の原油貯蔵庫建設等5大プロジェクトを同時に進行中と報道。

28日 瀋陽市は第2回国際装備設備製造業博覧会を9月5日〜10日開催する旨正式に発表。開催まであと100日。

 

以上