総領事レター(令和5年5月)
令和5年5月6日
拝啓 立夏の候、益々御清栄のこととお慶び申し上げます。平素より格別の御高配を賜り、在瀋陽日本国総領事館を代表して、厚く御礼申し上げます。
日本では4月から新年度が始まりました。新型コロナの規制も緩和され、中国の労働節や日本のゴールデンウィークの大型連休には、旅行やレジャーに出かける多くの方々の姿を目にしました。これを機に久々に日本を訪れた中国の方も多いのではないでしょうか。
(水際対策の緩和)
日本政府は、4月29日以降、日本入国時、「ワクチン接種証明書」、「検査(陰性)証明書」は不要になり、5月8日からは新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同等の5類に移行し、行動制限などが撤廃される見込みです。また、先日、中国政府も、入国者に求めてきたPCR検査を抗原検査に切り替えるなど、日中双方において水際対策の緩和が進められています。両国間の人的往来が容易になる中、こうした環境の変化を追い風に、日中両国間の旅行観光客や留学生、ビジネスでの訪問が増え、経済交流や国民交流がより一層深化することを期待しています。そのためにも、我々も全力を尽くしてまいります。
(林芳正外務大臣の訪中)
今年は日中平和友好条約締結45周年であり、これを契機に、両国間の積極的なやりとりが更に増えることが期待されます。先月には、林芳正外務大臣が中国を訪問し、秦剛・国務委員兼外交部長と日中外相会談を行いました。林大臣からは、昨年11月の首脳会談で一致した環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケア分野を含む経済分野での協力や国民交流については、適切な環境を整える必要がある旨指摘しつつ、中国において透明・予見可能かつ公平なビジネス環境が確保されるよう表明がありました。
また、李強・国務院総理への表敬では、日中両首脳間の共通認識である「建設的かつ安定的な関係」の構築に向け、あらゆるレベルで緊密に意思疎通していきたい旨述べ、李総理からも、日中経済関係の重要性について発言がありました。さらに、王毅・中国共産党中央外事工作委員会弁口室主任との会見においても、この大きな方向性を双方の努力で実現していきたいとの考えが示されました。
(中央経済工作会議、遼寧省長発言、訪日団)
こうした両国指導者間の動向とも連動するように、日中経済交流の促進に向けた動きも活発になってきています。靳国衛・遼寧省副省長率いる遼寧省友好経済貿易代表団は3月21日から8日間、日本を訪れ、活発に友好交流と経済貿易活動を展開したと承知しています。また、4月24日には私も出席して、「在大連日系企業ビジネス環境交流座談会」(在遼(連)日企業営商環境交流座谈会)が開催され、靳副省長や日系企業関係者と共に、在大連日系企業のビジネス環境について、大変有意義な意見交換を行いました。
これに先立ち、郝鵬・遼寧省党委書記は、人民日報へのインタビューで、対外開放の重点策として、「重点エリアとの開放協力の強化」を第一に挙げ、「地の利を生かして、日本をはじめとする周辺国との協力を強化する」ことを強調していました。また、昨年12月に開かれた中央経済工作会議では、ハイスタンダードな対外開放を推進し、貿易投資協力の質とレベルを上げるよう提起されました。最近の遼寧省政府の積極的な姿勢は、こうした方針と併せ、日中首脳者間の共通認識である経済交流の促進に寄与することから、当館としても大変重視しています。東北三省の他省市でもこうした流れが加速することを願うとともに、当館としても全面的に協力してまいりたいと思います。
(学術交流、広文イベント等)
3月以降、私は吉林大学、瀋陽師範大学、遼寧大学、東北財経大学を訪問し、各学長等と今後の日中間における青少年交流、学術交流のあり方について意見交換しました。遼寧省外事弁公室などの手配により、営口市、鞍山市、撫順市を訪問し、各地の指導者と日中交流の拡大について意見交換もしました。
2月26日には、遼寧省中日友好協会主催のバドミントン交流会に参加したり、4月15日には、第2回遼寧省空手道大会の演武・試合を観戦したりしました。バドミントンは中国の若者の間で最も盛んな球技であり、空手は沖縄発祥の伝統武術と中国武術が融合して形成された武道です。その他日本食、剣道や華道などの関連行事も各地で実施しました。これからもこうしたスポーツや文化を通じた交流を更に拡大・推進していきたいと考えています。
国民交流には、文化、観光、青少年、スポーツ、地方間交流など様々な分野がありますが、当館としては引き続き、東北三省と日本との交流をよりいっそう多角的に進めていきたいと考えております。コロナ禍も収まりつつあり、東北地方も暖かくなってまいりましたので、私としては、これまで以上に各地に足を伸ばして、まだお会いしていない皆様にも今後直接お目にかかり意見交換させていただくことを楽しみにしているところです。
(結語、邦人・日系企業の安全)
最後に、総領事館としては、在留邦人や日系企業が安全・安心に活動できるよう、皆さまと一緒になって適切な環境を整えていくのが我々の使命です。在留邦人、日系企業が安全、安心に生活、活動できるための御支援に、東北三省の各省市政府をはじめ、関係者の皆様に改めて感謝申し上げ、更なる御協力をお願いいたします。日本総領事館としては、東北三省と日本との関係において、様々な分野での交流を拡大できるよう努力する所存ですので、引き続き、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。

5月の連休前後、富士山の裾野で見られる「芝桜の絨毯」。
桜とは違う植物ですが、桜と同時期に、桜に似た花を芝のように咲かせる事から「芝桜(シバザクラ)」と日本では呼ばれています。
日本では4月から新年度が始まりました。新型コロナの規制も緩和され、中国の労働節や日本のゴールデンウィークの大型連休には、旅行やレジャーに出かける多くの方々の姿を目にしました。これを機に久々に日本を訪れた中国の方も多いのではないでしょうか。
(水際対策の緩和)
日本政府は、4月29日以降、日本入国時、「ワクチン接種証明書」、「検査(陰性)証明書」は不要になり、5月8日からは新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同等の5類に移行し、行動制限などが撤廃される見込みです。また、先日、中国政府も、入国者に求めてきたPCR検査を抗原検査に切り替えるなど、日中双方において水際対策の緩和が進められています。両国間の人的往来が容易になる中、こうした環境の変化を追い風に、日中両国間の旅行観光客や留学生、ビジネスでの訪問が増え、経済交流や国民交流がより一層深化することを期待しています。そのためにも、我々も全力を尽くしてまいります。
(林芳正外務大臣の訪中)
今年は日中平和友好条約締結45周年であり、これを契機に、両国間の積極的なやりとりが更に増えることが期待されます。先月には、林芳正外務大臣が中国を訪問し、秦剛・国務委員兼外交部長と日中外相会談を行いました。林大臣からは、昨年11月の首脳会談で一致した環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケア分野を含む経済分野での協力や国民交流については、適切な環境を整える必要がある旨指摘しつつ、中国において透明・予見可能かつ公平なビジネス環境が確保されるよう表明がありました。
また、李強・国務院総理への表敬では、日中両首脳間の共通認識である「建設的かつ安定的な関係」の構築に向け、あらゆるレベルで緊密に意思疎通していきたい旨述べ、李総理からも、日中経済関係の重要性について発言がありました。さらに、王毅・中国共産党中央外事工作委員会弁口室主任との会見においても、この大きな方向性を双方の努力で実現していきたいとの考えが示されました。
(中央経済工作会議、遼寧省長発言、訪日団)
こうした両国指導者間の動向とも連動するように、日中経済交流の促進に向けた動きも活発になってきています。靳国衛・遼寧省副省長率いる遼寧省友好経済貿易代表団は3月21日から8日間、日本を訪れ、活発に友好交流と経済貿易活動を展開したと承知しています。また、4月24日には私も出席して、「在大連日系企業ビジネス環境交流座談会」(在遼(連)日企業営商環境交流座谈会)が開催され、靳副省長や日系企業関係者と共に、在大連日系企業のビジネス環境について、大変有意義な意見交換を行いました。
これに先立ち、郝鵬・遼寧省党委書記は、人民日報へのインタビューで、対外開放の重点策として、「重点エリアとの開放協力の強化」を第一に挙げ、「地の利を生かして、日本をはじめとする周辺国との協力を強化する」ことを強調していました。また、昨年12月に開かれた中央経済工作会議では、ハイスタンダードな対外開放を推進し、貿易投資協力の質とレベルを上げるよう提起されました。最近の遼寧省政府の積極的な姿勢は、こうした方針と併せ、日中首脳者間の共通認識である経済交流の促進に寄与することから、当館としても大変重視しています。東北三省の他省市でもこうした流れが加速することを願うとともに、当館としても全面的に協力してまいりたいと思います。
(学術交流、広文イベント等)
3月以降、私は吉林大学、瀋陽師範大学、遼寧大学、東北財経大学を訪問し、各学長等と今後の日中間における青少年交流、学術交流のあり方について意見交換しました。遼寧省外事弁公室などの手配により、営口市、鞍山市、撫順市を訪問し、各地の指導者と日中交流の拡大について意見交換もしました。
2月26日には、遼寧省中日友好協会主催のバドミントン交流会に参加したり、4月15日には、第2回遼寧省空手道大会の演武・試合を観戦したりしました。バドミントンは中国の若者の間で最も盛んな球技であり、空手は沖縄発祥の伝統武術と中国武術が融合して形成された武道です。その他日本食、剣道や華道などの関連行事も各地で実施しました。これからもこうしたスポーツや文化を通じた交流を更に拡大・推進していきたいと考えています。
国民交流には、文化、観光、青少年、スポーツ、地方間交流など様々な分野がありますが、当館としては引き続き、東北三省と日本との交流をよりいっそう多角的に進めていきたいと考えております。コロナ禍も収まりつつあり、東北地方も暖かくなってまいりましたので、私としては、これまで以上に各地に足を伸ばして、まだお会いしていない皆様にも今後直接お目にかかり意見交換させていただくことを楽しみにしているところです。
(結語、邦人・日系企業の安全)
最後に、総領事館としては、在留邦人や日系企業が安全・安心に活動できるよう、皆さまと一緒になって適切な環境を整えていくのが我々の使命です。在留邦人、日系企業が安全、安心に生活、活動できるための御支援に、東北三省の各省市政府をはじめ、関係者の皆様に改めて感謝申し上げ、更なる御協力をお願いいたします。日本総領事館としては、東北三省と日本との関係において、様々な分野での交流を拡大できるよう努力する所存ですので、引き続き、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
敬具

5月の連休前後、富士山の裾野で見られる「芝桜の絨毯」。
桜とは違う植物ですが、桜と同時期に、桜に似た花を芝のように咲かせる事から「芝桜(シバザクラ)」と日本では呼ばれています。
在瀋陽日本国総領事

2023年5月6日
2023年5月6日
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