総領事挨拶

令和2年11月5日

令和4年賀詞交換会における新年の挨拶

総領事写真
 皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 毎年恒例のこの行事も昨年は新型コロナの影響を受けてしまいましたが、本年は規模縮小など必要な感染措置を講じて開催することといたしました。本日は年明け早々の御多忙な時期にもかかわらず、瀋陽御在住の方々のみならず、長春、延辺、丹東、大連など、遠方からもご参加をいただき、こうして皆様に直接お目にかかれることを大変うれしく思っております。
 さて、今年の干支は、壬寅(みずのえとら)です。壬寅は、厳しい冬を乗り越え、新たな胎動が生まれ、大いに伸びるという意味を持つといいます。ポストコロナを見据えた社会経済の動きが一段と加速していくと期待しており、我々はこのチャンスを捉え、次のステップへの準備を着実に進めていかなければなりません。
 当地の昨年1年間を振り返りますと、新型コロナの影響が続き、1月の瀋陽、11月の大連、12月の黒竜江省黒河・ハルビンなど各地で感染が再拡大するたびに、皆様のお仕事や生活にも大きな影響が生じ、大変なご苦労があったと思います。私どもも計画していた行事や各地への訪問出張も幾度となく中止を余儀なくされてきました。
 こうした中にあっても、私どもはあきらめることなく、その時々のできるときに、できることを、できる範囲で実行し、各地の日本人会、商工会の皆様や当地の中国側地方政府との交流を絶やさないよう努力をしてまいりました。昨年3月には、天皇誕生日祝賀レセプションを2年ぶりに開催できたほか、3月の丹東訪問、8月の大連における東北三省日本人交流会への出席、9月の長春での北東アジア博への参加や(瀋陽での日中経済協力)
 瀋陽での日中経済協力会議の開催、10月の延辺やハルビンへの訪問などが実現することができ、各地の日本人会、商工会関係者の皆様とも交流の機会がもてたことは大変ありがたく感じております。
 そして本年は、日中国交正常化50周年の大きな節目の年に当たります。日中関係は、日本にとって最も重要な二国間関係の一つであり、中国との安定した関係は、両国のみならず地域及び国際社会のために重要です。コロナ禍により人的往来が制限されている中にあっても、様々なレベルで、オンラインなども活用して対話や交流が続けられてきました。また10月には、岸田総理と習主席との間で電話首脳会談、11月には林大臣と王毅国務委員との電話外相会談が行われ、両国間の経済や国民交流を後押ししていくことで一致しました。
 今年はこの50周年を契機に、一層の交流促進が図られ、特に、経済交流と協力、文化交流と相互理解、次世代を担う青少年の交流と相互信頼、そして地方間交流等など、各分野での交流が進むことを期待しております。
 当館としましても、本年も、昨年以上に皆様と連携しながら、ビジネスや観光、学術、文化など多くの分野で、日本と東北三省との交流、協力の促進に努力する所存であります。引き続き、皆様の御支援をよろしくお願い申し上げます。
 もとより当地で暮らす邦人の皆様の安全・安心を守ることは、当総領事館にとって何よりも重要な任務です。本年も、皆様が安心して御活躍頂けるよう、館員一同精一杯の力を尽くしてまいります。
 最後に、皆様の益々の御健勝、御活躍と各団体参加企業の益々の御発展を心より祈念申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

着任のご挨拶

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    このたび在瀋陽総領事として着任しました片江学巳(かたえたかし)と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  私は、昭和61年外務省に入省後、北京大学等において中国語を研修し、その後中国に関係するいくつかの部署を経験し、直近の中国での勤務は約15年前の在上海総領事館首席領事となります。今回初めて瀋陽で勤務させていただくことになりました。中国の中にあっても、日本と関係の深い遼寧省、吉林省、黒龍江省の東北3省を担当する総領事として、日本と東北3省との友好協力関係を更に深めるべく全力を尽くしていく所存です。
  本年に入り、新型コロナウイルス感染拡大やその対策により、皆様の暮らしや経済活動は多大な影響を受け、ご苦労も多いかと存じます。中国国内では、先日の国慶節に6億人が旅行したとも言われ、感染も制御されているなど多少の制約を伴いつつも日常が戻ってきている一方、入国制限や定期航空便の減便は依然続いており、往来の面では引き続き厳しい状況にあります。総領事館はその名の通り、「領事業務」が最優先の業務であり、皆様が少しでも安心して、安全に過ごせるよう、全力でお手伝いしたいと思います。そのため引き続き緊張感をもって東北3省の動向や各省、各市の対応について、大使館や他の総領事館とも連携して今後の関連動向について把握に努め、皆様方に情報提供し、必要に応じ当局とも調整していきたいと考えています。もちろん、コロナウイルス関連のみならず様々な領事サービスの提供、向上に努めて参る所存ですので、皆様のご理解とご協力を切にお願いいたします。
    日本と中国との関係に目を転じますと、菅新総理は9月25日習近平国家主席と初めての電話会談を行い、両首脳間でも両国が様々なルートで連携していくこと、及び、経済関係者の往来再開の早期実現に向け、引き続き協議を行っていくこと等を確認しました。これを受けて、日中間では人の往来再開に向けた段階的措置につき、現在、早期開始に向けた詰めの協議を行っているところであります。
    私の担当する東北3省を合わせた人口、GDPはそれだけで中規模の国以上に匹敵する規模であり、経済的にもさらに発展する潜在力を持った地域です。東北3省は日本との交流の主導的役割を担っているとも伺っており、日本との要人往来・交流も頻繁に行われてきました。しかし,一部再開に向けた動きはありますが、日中間の往来・交流には依然として様々な制約があります。私は、総領事として、こうした状況の中にあっても日中双方のウィンウィンの関係をさらに拡大・深化させられるよう、東北3省の地元政府及び各界、在留邦人、日系企業の皆様とともに、東北3省と日本の共通利益の拡大、人と人との相互理解の増進、様々な分野での交流の促進に向けて精いっぱい頑張る所存ですので、皆様の御支援を賜れますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
令和2年11月5日
片江学巳