草の根・人間の安全保障無償資金協力とは

令和2年3月23日
1.概要

  草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下、草の根無償)は、開発途上国における経済社会開発を目的とし、草の根レベルに直接裨益するよう現地における具体的かつ比較的小規模なプロジェクトに対して無償資金協力を行うものです。

 中国に対する草の根無償は、1990年に開始され、これまでに、貧困地域における初等教育、医療保健、民生環境などを中心に中国全体で1,298件、金額にして総額約9,600万米ドル(100億円以上)のプロジェクトが実施されています。

 2018年10月25日から27日、安倍総理による中国訪問の際、日中両国が世界第2・3位の経済大国になった今、我が国が中国を一方的に支援するのではなく、日中両国が対等なパートナーとして、共に肩を並べて地域や国際社会に貢献する時代になったとの認識の下、対中ODAを終了させるとともに、開発分野における対話や人材交流等の新たな次元の日中協力を推進することを発表しました。この発表を受けて、草の根無償は2018年度をもって新規採択を終了しました。
 
2.供与限度額

(1)草の根無償の供与限度額は、原則1,000万円以下です(人民元建て額は外国為替の相場により変動します)。
(2)プロジェクトの内容によっては、1,000万円を超えるケースもありますが、その要件は供与限度額1,000万円以下のプロジェクトに比べ非常に厳しいものとなります。最大供与限度額は1億円です。なお、供与総額が5,000万円を超える案件については、対人地雷対策関連プロジェクトであるか、人間の安全保障の考え方がより強く反映されたプロジェクトである必要があります。
(3)また、総所要額が2,000万円を超えるプロジェクトについては総所要額の80%または2,000万円のいずれか高い方の金額が供与限度額となります。
 
3.対象団体

 草の根無償の対象となる被供与団体は、開発途上国において草の根レベルの社会経済開発プロジェクトを実施している非営利団体です。具体的には、地方公共団体、中国に登録のあるNGO、教育・医療機関などが被供与団体となることができます。
 
4.対象分野

(1)基礎生活分野及び人間の安全保障の観点から特に重要な分野の支援を基本方針としております。このため、草の根レベルでの裨益効果が高い案件、小規模な支援によって高い援助効果が期待できる案件、人道上機動的な支援が必要な分野等について積極的に支援を行うこととしています。
(2)以下の分野は草の根無償の対象外となります。
イ.高等学術機関における研究支援など、草の根レベルに対する裨益効果が明確でない、または 直接効果をもたらさないプロジェクトに対する支援。
ロ.商業活動や雇用創出に特化した支援。
ハ.文化・芸術・スポーツなど、経済社会開発と関連性が薄いプロジェクトに対する支援。
ニ.政治目的・宗教布教目的が含まれる案件。
ホ.軍事的利用が認められる案件。
 
5.支援対象費用
 
 草の根無償では、特定のプロジェクトに直接必要な経費のみ支援することができます。自助努力支援の観点から、被供与団体の本部運営費など、特定のプロジェクトの実施とは関係のない、被供与団体が恒常的に負担すべき経費については支援対象になりません。

<支援対象とならない経費>
・被供与団体自身の恒常的な運営管理費(事務所経費、人件費等)
・供与物資の維持管理費、予備費
・所得創出活動の運転開始資金
・特定個人に直接資金や財産を付与する奨学金、住居、衣服、文房具、食糧など
・土地購入
・草の根レベルに対する裨益効果が明確でない研究費用
・自治体の収入源となる関税、付加価値税、運営許可料、車輌登録料など
・上下水道案件、電化案件における各戸までの配水管・電線

6.お問い合わせ

在瀋陽日本国総領事館「草の根」担当
住 所:遼寧省瀋陽市和平区十四緯路50号(郵便番号110003)
電 話:024-2322-7490(代表) FAX:024-2322-2394
中国のその他の地域につきましては、プロジェクト実施地を管轄する大使館、総領事館へお問い合わせください。